グローバルナビゲーションへ

本文へ

ローカルナビゲーションへ

フッターへ



ホーム  > 園長コラム  > やる気を高める環境

やる気を高める環境

園長 平野春江

 しっとりとした空気に緑の香りが漂い初夏を感じます。
さて、長期に渡り新型コロナウイルス感染症の緊急事態宣言に伴う登園自粛に、ご理解ご協力を頂きありがとうございました。6月になり、久しぶりにクラス全員が顔を揃えました。子ども達も職員も大好きな仲間と顔を見合わせ笑顔で歓びを分かち合いました。登園自粛は解除されましたが、引き続きコロナウイルス感染症拡大防止対策に園として取り組んでまいります。
突然ですが、保護者の皆様、▼こどもの「やる気」を高める環境▼ってわかりますか?
あそんでまなぶわたしとせかい(勝間田明子・細田直哉・佐治晴夫著)の本によると、心理学の「動機づけ(モチベーション)」をもとに考えると3つの条件が重要であることがわかってきたそうです。
1、 やることを自分で選び、決められる「自律性」 自分で!
2、 自分でできたという達成感が感じられる「有能性」 できた!
3、 他者から認められるような「関係性」  見てて!
聖隷こども園こうのとり豊田では、子どもの成長・発達・年齢等に応じた「自分で!」「できた!」「見てて!」を保障できる環境を目指して取り組んでいます。「やる気」の芽はすべての子どもにあります。その芽を大きく育む環境を職員自身が子どもの姿を通して学びながら教育・保育の計画・実践を行っています。園での身近な事例より話を進めていきます。
【事例  自分でじょうろにお水を入れたよ】
 2歳児のAちゃんは、園庭の築山に咲いている花にじょうろで水をあげるのが大好きな女の子です。今日も先生に水を入れてもらっていつものように花に水をあげています。その様子を私も築山の草取りをしながら見ていました。水がなくなると、また先生に水をいれてもらい花にあげます。また水がなくなった時に私と目が合いましたので、私がAちゃんと一緒に園庭の水道へ行きました。シャワー付きの水道で、部屋にあるような形ではなく2歳児が1人でやるには、少し難しいと思ったのですがAちゃんなら、ゆっくりと手本をみせてあげれば出来るではないかと思い、使い方を示しました。Aちゃんは、よく見ていて、その後に自分でやってみました。するとじょうろに少し水が入りました。Aちゃんは、自分で!できた!見てて!と私の方を見ましたので、私もうなずき、できたね!と目を合わせて答えました。その後、出来ることが嬉しくて何回も何回も花の水やりをしてくれました。
 今回の事例のように、一人ひとりの子どもが自分の発達よりも少し難しいことに自から挑戦する環境が大切です。夢中になって取り組める時間や場所や道具等も必要です。そして、それを見守る保育者の関わりも環境のひとつです。このことは、遊びに限ったことではありません。毎日繰り返される生活(着脱・排泄・食事等)も同じです。一人でズボンが履けた時に必ず側でできたね!と共感できる保育者や仲間が必要です。そのような経験を積み重ねて幼児になると、今度は一人では難しいことも友達と力を合わせて「みんなで!」「できた!」「見てて!」がやる気に繋がり、クラスとしてのまとまりができてきます。新型コロナウイルス感染症拡大防止により、今後も行事等の中止や規模の縮小等を迫られる場合も考えられますが、日々の子ども達の生活や遊びをしっかりと保障し、育ちを支えていきたいと思います。今月の聖句について兵藤牧師が書かれておりますように園児一人ひとりの「賜物」を伸ばしていきたいと思います。