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ともだち

園長 平野春江
ともだちって かぜがうつっても へいきだって いってくれるひと。
ともだちって いっしょに かえりたくなるひと。
ともだちって おかあさんや おとうさんにも いえないことを そうだんできるひと。
ともだちって みんなが いっちゃったあとも まっててくれるひと。
ともだちって そばにいないときにも いま どうしてるかなって おもいだすひと。
(谷川俊太郎 「ともだち」より一部抜粋)
 以前、幼児礼拝で、中遠教会牧師の兵藤先生が、子ども達に谷川俊太郎「ともだち」の詩を紹介して下さったことがありました。今月は、子ども達の姿から、友達の存在についてお伝えしたいと思います。 0歳児(ひよこ組)は、特定の大人との応答的な関わりを通じて情緒的な絆が形成されるといった特徴がある。(幼保連携型認定こども園教育・保育要領より抜粋)つまり、特定の大人は、保育者であり、0歳児の子ども達にとっての友達でもあります。ある日の給食で、子ども2人に対して保育者1人で食事の援助をしていた時のAさんの姿です。Aさんは、食べる意欲のある女の子です。まだ、手づかみ食べをし始めたところで、保育者がスプーンで、食べさせてあげています。保育者が笑顔で「あーん」と食べる合図を示すと、満面の笑顔で答えるAさん。食べることよりも保育者とのやりとりが楽しくて、今度は、Aさんの方から保育者の顔を覗き込んで「あーん」を催促します。食べながら、そんなやりとりを何度も繰り返し、微笑ましい姿でした。まさに、心の通い合った友達です。
 1歳児(りす組)や2歳児(うさぎ組)は、自己と他者の違いの認識がまだ十分ではないことから、園児の自我の育ちを見守るとともに、保育教諭が仲立ちとなって、自分の気持ちを相手に伝えることや相手の気持ちに気付くことの大切さなど、友達の気持ちや友達との関わり方を丁寧に伝えていくこと。(要領より抜粋)  2歳児のBさんは、友達の存在を意識するようになってきました。側にいて遊びたいという思いがあります。その分、玩具や場所の取り合い等のぶつかり合いも頻発します。時には、噛みついたり手が出てしまう姿もあります。保育者は先ず、子どもの心情を受け止め、「~だったんだね」と、要求を言語化して子どもに返し、相手にそれを代弁したり、相手の心情を子どもに代弁し、仲立ちを行います。このように友達とのぶつかり合いを繰り返し経験する中で、自分以外の他者の気持ちに気付いていけるようになります。大きな怪我に繋がる以外は、トラブルを大人が未然に防ぐのではなく、大切な育ちの一つとして、丁寧に対応するようにしています。
 3歳児(ひつじ組)4歳児(ぱんだ組)5歳児(きりん組)は、仲間と遊び、仲間の中の一人という自覚が生じ、集団的な遊びや協同的な活動も見られるようになる。(要領より抜粋)  5歳児ぐらいになると、入園してから共に過ごしてきた友達のことをよく理解しています。Cさんは、人前で発表することが恥ずかしい女の子です。周りの子から比べると小さな声ですが、Cさんなりの頑張りを見せた時、仲間が「Cちゃん凄いね」と顔を見合わせ、自分のことのように喜ぶ姿があります。互いに認め合いながら過ごしています。
先日、3歳児の子ども達からこんな質問がありました。「神様は、男?女?どっちですか?」牧師の兵藤先生に聞いてみようということになりました。女の子は、神様が女と思う子が多く、男の子は神様は男と思う子が多いと担任から聞きました。3歳児の子ども達にとって神様は、いつも側で見守ってくれる方であり、友達のような存在でもあるのかもしれませんね。