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一人ひとりかけがえのない存在

園長 平野春江
 春光うららかな季節となりました。暖冬の影響もあり早々に、つくしを手に握り締めて散歩から帰ってくる姿が見られます。子ども達は小さな花瓶に野花やつくしを生けて「園長先生、飾っていいよ」と事務所に持ってきてくれました。
 さて、2月13日の懇談会では、新型コロナウイルス感染防止対策として各クラス2~3回に分けて短い時間での開催となりましたが、1年のお子様の成長と次年度の展望等について共有させて頂くことが出来ました。コロナ禍にも関わらず、参加率96%となりました。厚く御礼申し上げます。懇談会でご説明させて頂きましたが4月よりICT(コドモン)を導入する事となりました。お子様のご登録はお済でしょうか。ご登録がお済の方は実際にコドモンのアプリを閲覧している事と思います。ご質問やご不明な点がございましたら遠慮なくお申し出下さい。園でも4月の開始に向けて準備を進めております。導入当初は、ご迷惑をお掛けするかもしれませんが、ご理解ご協力の程よろしくお願い致します。3月は、5歳児(きりん組)35名の子ども達が巣立ちの時を迎えます。保育年数の長いお子様で6年間をこども園で過ごしました。6年間をどのように過ごしてきたのかがわかる今年度のお子様のエピソードをご紹介しながら成長を辿ってみたいと思います。先月、0歳児(ひよこ組)のAさんが、園庭で三輪車に乗って遊んでいました。途中、下に置いてあったホースに引っかかり前に進みません。三輪車から降りて押してみたところ、勢いで三輪車が横に倒れました。Aさんは、側にいたお兄さんに『倒れたのをなおして』と目で訴え、お兄さんが三輪車を戻してくれました。前に進むようになりご機嫌で乗っているとまた思うように前に進みません。するとAさんは三輪車から降りて自分で三輪車を横に倒しました。そしてまた近くにいた保育者に三輪車を戻してもらいます。その後も三輪車が上手く進まないたびに同じ行動をしたのです。保護者の皆様は、この行動から何を読み取りますか?Aさんは、横に倒れた三輪車がその後、前に進むようになった偶然の出来事を通して、Aさんなりに『わかった!三輪車を横に倒すと前に進むようになるんだ!』と関連付けたのです。答えとしては正しいとは言えませんが、こうして毎日の生活や遊びを通して子ども達は、環境と相互に関わりながら学んでいるのです。この学びのプロセスがとても重要なのです。このように1日1日を過ごしてきた5歳児の子ども達が、先日『卒園お楽しみ』を行いました。予定していた卒園遠足が新型コロナウイルス感染防止のため中止と決まった時から、子どもたちの『やりたい』を叶えてあげたいという担任の想いがありました。子ども達から沢山の願いが語られました。その一つひとつを仲間や保育者と共に体験しました。その1つがテント作りです。5歳児の保護者の皆様にもテント作りに必要な材料を持ち寄って頂き、木材やダンボール等様々な素材を使い、グループ毎に設計図を描きながら形にしていきました。担任だけではなく入園してから今日までに関わった職員がテント作りに加わったり、声を掛けたりしながら何日もかけて作り上げました。自分達で作り上げたテントは格別です。秘密の基地です。子ども達は全身で心躍る様子を表現していました。私の幼少時代、空き地に捨てられている物を使って秘密の基地をよく作ったものです。自分達のお城が出来るのですから、それは嬉しいものです。5歳児の子ども達もお城であるテントで一日を過ごしました。作る過程において、自分の思いを仲間に伝え、仲間の言葉に耳を傾け、共に考え、共に喜び、一つの物(テント)を作り上げるという同じ目標に向かって取り組む姿に一人ひとりの成長を見ました。大きくなったその姿に感動し、保育者として子ども達と共に生きた日々を心から感謝しました。聖書において子どもはひとりひとりかけがえのない存在として神によっていのちを与えられ、神の恵みのもとに生かされる存在であります。子どもが与えられた神の恵みを保護者の皆様と共に感じつつ、今後も歩んでまいりたいと思います。2021年度もどうぞよろしくお願い致します。