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確認

園長 平野春江
 真夏の日差しが照りつける中、園庭に咲いているヒマワリが空を仰いでおります。そして、いよいよ2020年東京オリンピックが開催されました。無観客での開催ですが、ご家庭のテレビの前で声援や歓声を送っていることでしょう。園の子ども達も、刺激を受けてオリンピックブームが到来するかもしれません。4歳児、5歳児クラスでは、朝夕の会で担任が新聞を子ども達の前で広げ、日本の選手の栄光を称えながら「昨日の〇〇見た?金メダルだったね。」等と感動を共有しています。園の教育・保育の指針となる本に『(前略)異なる文化に触れる活動に親しんだりすることを通じて、社会とのつながりの意識や国際理解の意識の芽生えなどが養われるようにすること。』(幼保連携型認定こども園教育・保育要領)とあります。57年ぶりに日本で開催される東京オリンピックを機会に様々な事柄に対して目(芽)が開かれるきっかけになればと思います。
 さて、静岡県新型コロナウイルス警戒レベルが「警戒レベル5(特別警戒)」(7月29日更新)に引き上げられました。県のホームページによると『感染拡大地域と隣接する静岡県では、これから夏休みや帰省、イベント等による更なる人流の拡大が見込まれ、最大限の注意が必要です。県境を跨ぐすべての都道府県との不要不急の交流を自粛して下さい』とあります。それに伴い、園でも感染リスクを抑えつつ、教育・保育を持続していく為に引き続き、感染防止対策をしっかりと行ってまいります。ご協力お願い致します。コロナ禍で、やむを得ず制限をかけている一つが地域交流や異年齢交流です。感染リスクを考え、直接的な交流を控えております。しかし、少子化・核家族化の現代社会において、子ども達は、限られた人間関係の中で生活をしています。その為、こども園の生活において、高齢者をはじめ、異年齢の子どもや働く人などの地域の人々で自分の生活と関係が深い人と触れ合ったり、交流したりすることは、人と関わる力を育む上で重要となります。また、日常的に異年齢交流を行うことで、子ども同士の関りが子どもの育ちを促し、人に対する優しさや愛情を関りの中で学んでいきます。感染リスクを抑えつつ、どのようにしたら地域交流や異年齢交流が可能であるのかを検討し、進めております。5歳児のお泊り保育での出来事(7月16日・17日実施)です。お泊り保育は初めてご家族と離れて友達や保育教諭と園に泊まります。お泊り保育の準備や話し合いを進める中で楽しみに当日を待つ反面、『お母さんと離れて夜寝られるかな…』等と少し不安になるお子様もいました。その様子を聞いた異年齢児クラスの職員が、何か力になりたいと考えました。3、4歳児クラスでは、子ども達と相談をして手作りのフラワーアレジメントを贈る事に決まりました。花は、地域の方が庭で咲いている花をいつも届けて下さるのですが、子ども達がお宅まで頂きに伺いました。「お花をいつもありがとう」「きりん組さんにプレゼントするの」等と距離を取りながら話をすることも出来ました。0,1,2歳児クラスは、各クラスの子ども達が少しずつ手を加えた手作りのうちわを贈りました。年下の小さな友達からプレゼントを受け取る際の5歳児の優しく穏やかな表情が印象的でした。また、夏休みに学童を利用している小学生は、柵越しですが小さい子に紙芝居や絵本を読んであげたり、魚釣りのゲームを作ってプレゼントしてくれています。今は、異年齢で一緒に遊んだりすることは出来ませんが、ソーシャルディスタンスを保ちながら交流を図っております。子どもが異年齢児に何かをしてあげる時、言葉は少なくても、距離があっても、どんなに小さくても必ず行う事があります。それは、確認です。互いに反応を確認しています。『喜んでくれたかな…』『ありがとう…』とアイコンタクトで語り合っています。コミュニケーションを図っています。コミュニケーションとは、お互いに自分の感情、意志、考えを伝えあうことです。伝い合いは、一方的な伝達ではなくやりとりする行為です。自分の伝えたい事柄が相手に届いたかを確認し、相手の反応を見定めるとこまでいかなければなりません。子どもと子ども、子どもと職員、子どもと親、保護者と職員等…こども園は、人と人との交わり(コミュニケーション)の中で営まれるところです。確認した時に、しっかりと向き合えるようにしたいと思います。