グローバルナビゲーションへ

本文へ

ローカルナビゲーションへ

フッターへ



ホーム  > 園長コラム  > 多文化共生

多文化共生

園長 平野春江
 静岡県の緊急事態宣言が解除されました。宣言下での家庭保育のお願い期間の御協力に感謝致します。また、最前線で戦っておられる医療従事者の皆様、日々のご苦労に感謝致します。園でも引き続き感染防止対策に努めてまいります。
 さて、時間の空いた時、保育室で過ごしている子ども達の様子を見に行くようにしています。子どもの様子やクラスの雰囲気等から様々な情報を得るためです。まずは2階から…。階段を上ると、4,5月の頃は、新しい環境に不安を覚える子ども達の泣き声がよく聞こえていましたが、今では、静かな空間が保たれております。乳児(0,1,2歳児)は、落ち着いた環境の中で日々の日課が保たれるように、人の出入りが少ない2階に保育室が設定されております。穏やかな空間を進むと、一番奥のうさぎ組(2歳児)から可愛らしい園児の声が聞こえてきました。「きらきらひかる~おそらのほしよ~♪」声に誘われて、そっと覗いてみますと、Aさんが鼻歌を歌っていました。Aさんは、4月に入園したブラジルの女の子です。入園する前は、ご両親が話すポルトガル語(ブラジルの母国語)の環境で過ごしてきました。入園してから保育者や友達が話す日本語に初めて触れました。始めの頃、保育者も身振り、手振り、表情等を使ってAさんの思いを汲み取ったり、こちらも思いを伝えてきました。そのうちに少しずつ日本語を覚えて話すようになってきました。きらきら星は、七夕の時にクラスでも、よく歌っていましたが、鼻歌で日本語の歌を歌うAさんの姿は、ご家族にとっても保育者にとっても嬉しい出来事でした。Aさんの姿を通して、私達もブラジルの文化に触れたいと思い、お母様からブラジルの子守歌と手遊びを紹介して頂きました。まずは、保育者が覚えて保育の中で歌ってみようと思います。続いて、1階へ…。幼児(3,4,5歳児)クラスの保育室です。一人ひとりが、自分で選んだ遊びに集中して取り組む姿が見られます。興味・関心や育ちのペースはそれぞれですが、どのお子様にも共通するのは、自分の成長・発達(レベル)よりも少し上の事を求めて取り組んでいるという事です。興味を持って自分で選択して遊び始めたものは、繰り返し何度でも、たとえ上手くできなくても真剣に取り組む姿が見られます。さらに廊下を進んでいくと、ぱんだ組(4歳児)の保育室から、「ブラジル!」「はい!」、「アメリカ!」「はい!」、「にほん!」「はい!」と、元気な声が聞こえてきました。部屋の中を覗いてみますと、世界の国旗カルタを楽しんでいました。さかのぼること8月。東京オリンピックが開催されてから、毎日のようにメダリストの選手の話題に触れる中で、新聞に掲載されていた各国の国旗を目にする機会がありました。国によって国旗が違うこと、色々な色があること、色々な模様があること等、好きなお子様にとっては、魅力的な要素がいっぱいです。そのタイミングで担任が各国の国旗カルタを作りました。『興味を抱いた時が覚え時』と申しますが、子ども達の中に知識がどんどん入っていきます。遊びを通して子どもたち自身が国旗について様々な気づきを得ていきます。興味を持ったお子様の楽しそうな様子を目にする中で興味の輪が徐々に広がっていきました。国旗の色塗りを楽しんだり、LaQ(構成遊びが出来るもの)で国旗を作ったりする姿が見られています。「園長先生!ドイツの国旗を作ったよ」と、LaQで作った作品を誇らしげに見せに来てくれます。ブラジルのお子様やご家族との出会い、オリンピックやパラリンピックという機会を大切に、異国の文化に触れる環境が与えられたことは、お子様にとっても保育者にとっても良い経験となりました。このような経験を通して、一人ひとりの違いに気づき、認め合えるような関係でありたいと願います。そこには、神様の導きや恵みを感じます。
 10月は、幼児対象(3,4,5歳児)のパワフルフェスタがあります。今年度のテーマは、オリンピックにちなんで子ども達の大好きな絵本『ケロリンピック』で楽しんでいきます。当日までの過程は、ドキュメンテーション等で発信しますので、是非、ご家族でお楽しみ頂けたらと思います。

こうのとり豊田 保育・教育理念より ~一人ひとりの違いに気づきお互いを認め合いながら共に主体的に生活する~