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「ネット社会の中で」

 園庭のいちごが、赤くなったのを見つけ嬉しそうにしている子ども達。少しずつではありますが、大きいクラスは、声を掛け合いながら食している姿が、なんとも微笑ましいです。GWもあっという間に終わりましたね。休み中に、スマートフォンを子どもに見せている光景を何度か目にしました。その時、以然読んだ「ネットに奪われる子どもたち」という本の内容を思い出しました。スマホ育児ともいうべきスマホを利用したしつけ、そしてスマホやタブレット端末を赤ちゃんや幼児をあやすのに使ったり退屈しのぎに与えたりする電子ベビーシッターという現象です。ひとつ例を挙げてみると、世代を超えて世界中の赤ちゃんが好きな遊びに「いないいないばぁ」があります。ところが、最近はスマホ相手に無表情でこの「いないいないばぁ」のアプリにタッチしている子どももいるそうです。いないいないばぁは、8か月から1歳前後の子どもが繰り返すのですが、これは脳の発達と関係しています。それまでは「目の前から見えなくなった」=「なくなった」ですが、この頃から「目の前に見えないけれど一貫してある」という周囲の一貫性を記憶保持できるようになるのです。そして、「いつもある、なじみのあるもの」に安心感を「なじみのないもの」に警戒を持つという人見知りとも関係して、生涯の基礎となる愛着を形成していくのです。「愛着対象が見えないけれどちゃんとある」という期待に応えて「ばぁ!」でちゃんとでてくるからこそあの喜びなのであって、目先の変化に喜んでいるわけではないのです。
 これからの未来、子どもがパソコンやスマホと切り離して生活していくことは、難しいですね。使う時期や使い方を、大人がしっかりと見極めることが大切なのではと感じます。
辻田 紀子