グローバルナビゲーションへ

本文へ

ローカルナビゲーションへ

フッターへ



ホーム  > 園長コラム  > 7月コラム お月様みつけたよ

7月コラム お月様みつけたよ

お月様みつけたよ

 先日はお忙しい中、清掃奉仕にご参加いただいた保護者の皆さまありがとうございました。園内外がきれいになり、プールの設置もしていただきました。梅雨に入りましたが今年は雨が少なく、夏に向けて水不足が心配ですが、思い切りプール遊びができるといいなと思います。

 さて先日、天気の良い日の朝に子どもたちと一緒に園庭に出ました。うさぎ組(3歳児)のAさんが「園長先生、あっちにお月様が出てるよ!」と教えてくれました。指さす方向を一緒に見ると、うっすらと白く月が見えました。反対側を見上げれば太陽がまぶしい朝に、同じ空に月が見えたことは大発見だったようです。「本当だ!お月様が見えるね。お日様も出ているのに不思議だね~」と言うと、その子はにっこりとして「あのね、誰かが魔法をかけたんだよ!」と。素敵な話に本当に楽しく、嬉しくなりました。天文学的には不思議ではなく、ましてや誰かが魔法をかけたことでもないのですが、それは年齢と共にいつか正しい知識を知る時が来ます。Aさんにとってはこのお月様の発見が学びの基礎につながるのではないかと思います。そして、まぶしい朝に発見したお月様は、Aさんの心にいつまでも「素敵な魔法」として残るのではないでしょうか。Aさんと話をしながらこの「不思議な話」「魔法の話」を大事にしたいと思いました。

 私たちは「子ども中心の保育とは?」「子どもの主体性って?」等を考え、研修等で学びながら日々の保育を行っています。また、子どもの豊かな感性を育んでいけるような保育とは具体的にどういう保育なのでしょうか。私たちは保育(生活)の中で、子どもたちが自分自身で考える力、判断する力、やってみようとする力がついてほしいと願い、その年齢の発達や一人ひとりの発達段階をふまえて計画をします。大人側から与えられたことをするだけではなく、自分が何をしたいのか、そのために何が必要なのかを考えていくことで子どもの創造力(想像力)が育っていくことはもちろんですが、子どもが自分で考えることができる環境(遊びだけに限らず、生活全般も)を作ってあげることは大人の役目です。そして、その時々の子どもの思いに耳を傾けて一緒に考えたり、準備したり…その過程が子どもにとっての「学び」なのです。すべてをお膳立てしてしまっては、子どもが学ぶチャンスがありません。一見すると「何しているの?」「そのことに意味はあるの?」と思えるような子どもの行動も、よく見守ってみたいと思います。大人は経験上答えが分かるのですが、それを言葉で伝えてしまうだけでは子どもの学ぶ力を奪います。また子ども自身も納得できず、満足できないことでしょう。時間がかかり、もどかしい姿を受け止める器を持ちたいものです。そして、子ども自身が気づいたこと、発見したことに共に驚き、不思議さを共有したいと思います。

 今月はぞう組(年長児)の一泊保育が行われます。家族の元を離れてクラスの友達、職員と共に観音山に泊まりますが、この経験は子どもたちを逞しく成長させてくれ、毎年感動をもらっています。今年はどんなドラマが待っているのか、今から子どもと一緒に楽しみにしています。

岡田 絵里子