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9月コラム 思いや感情を共有する

思いや感情を共有する

厳しい残暑が続きますが、トンボが飛んだり吹く風が少し涼しくなったりと確実に秋が近づいてきています。
季節の変化を楽しみに、子どもたちと秋を感じたいと思います。
 さて、先月は夏季特別保育期間中の保育のご協力をありがとうございました。この特別保育に入る前日にぞう組の一泊保育が行われました。延期になっていましたので、子どもたちはとても楽しみにしていました。今回は晴天に恵まれ、大型バスでアクティ森に出発。昆虫館や風鈴の絵付けを楽しみました。そして夕飯は2階のテラスでカレーライスをいただきました。お迎えに来る保護者の方から「楽しそうだね~」と声をかけていただいたり、兄弟の下のお子さんからは「ねーねばっかりズルい!」との声も。ぞう組の子どもたちは自慢げな表情でした。慣れ親しんでいる園内でのお泊りは、やはりどの子も安心できたようです。そして、この経験を通してまた少したくましくなったように思います。保護者の皆さまからの温かい声や、見守りの中で行えましたこと感謝いたします。
8月は終戦記念日があり、子どもたちと平和について考える中で私も「いのりの石」という一冊の絵本を持って来て、年長クラスで読んでもらいました。広島に原爆が落とされた時のことで、難しい内容ですが、子どもたちは真剣に見ていたようです。また、一人の子が「おうちでも読みたいから貸してほしい」となんとも神妙な表情で言って来てくれました。数日後、保護者の方が直接返しにきてくださり、親子でいろいろと話をしたことを聞かせてくださいました。親子で同じことに触れ、一緒に考えたり、感じることを伝えあったりする過程で、子どもも必ず何かを「感じる」ようになると思います。そして大人になってもきっとその時に感じたことを覚えていると思います。「戦争はいけない」「平和が一番」というような簡単な言葉では片付けられず、うまく表現できない奥深くの思いは、教えることは難しいのだと改めて思いました。子どもが自分で感じて、考えて、善悪を判断できるようになるためには小さい時からの大人の関わりがどうしても大事になってきます。「良い・悪い」と結論だけを伝えるのではなく、そこに伴う「思い・感情」をどのように共有するのかを考え直していきたいと思います。日頃の関わりの中で様々な思いを共有できるよう、親子での時間もぜひ大事にしていってください。

岡田 絵里子