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10月コラム 温かいまなざし 

温かいまなざし

 10月になりました。今年度も半分が過ぎたことになります。その時々は慌ただしくて、一日を振り返る間もなく過ぎていってしまうのですが、少しゆっくりと今までを振り返ると「あの時こうすれば良かったかもしれない」「こうしたから良かったんだ」等いろいろな思いがあるのではないでしょうか。振り返ってばかりではいけませんが、「今」を大切にしながら、子どもたちのこれからに目を向けて大人が今できる関わりを大事にしていきたいと思います。

 先日ある講演を聞きました。その中で、こんな質問をされました。①「幼虫の時に空を飛ぶ練習をさせたら立派な蝶々になりますか?」②「秋に植えた球根に向かって、『早く咲きなさい』と言わないのはなぜ?」 皆さんはどう思いますか?①については、その時期が来たら必ず飛べるようになる、今(幼虫の時)はまだその時期ではなく、無理に飛ばそうとしたら死んでしまうと分かっているから。そして②についても、時間がたたないと芽を出さない、花は咲かないと分かっているからです。では、なぜ私たち大人はついつい子どもたちに「早く、早く!」と言ってしまうのでしょうか?子どもにも、芽が出る「時期」があるのです。それは一人ひとり差があるかもしれません。私たちは長いスパンで育ちを見守らなくてはいけないということです。どうしても目に見える成長(できる、できない)に注目しがちになると思いますが、本当に大切なことは、「その子が今何をしたいと思っていて、何を考えているか」なのではないでしょうか。その時々で押さえておかなくてはいけない大事な発達もありますので、必要な時期に、必要な関わりができているかどうかを見直していく必要はあります。でも、「今」目に見えている姿だけで「早く、早く!」と急かすのではなく、その子の姿にじっくりと寄り添い、愛のあるまなざしで見つめたいと思います。そして適切な働きかけをしていきたいと思います。

 今週末には「わんぱくひろば」があります。その日はおうちの方が一緒ですので、園での普段の様子と同じようにはいかないと思います。普段の遊びの延長線上にこの「わんぱくひろば」がありますので、当日は親子で一緒に楽しんでいただいたり、いつものように楽しめないかもしれない子どもさんの姿も受け止めていただき、またその後に続いていくと信じて見守っていただきたいと思います。
                                               岡田 絵里子