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3月コラム 宝物

宝物

 早いもので、今年度も最後の1ヶ月となりました。毎年この季節になるとお隣の河津桜が満開になりあざやかなピンク色がとてもきれいです。事務所の窓からとてもきれいに見えるので、事務所に入って来る子どもたちも「わ~きれい!」と言っています。自然に目を向け、美しさに感動する気持ちもいつのまにか育っているのですね。
 先日、りす組の子どもたちが玄関から散歩に出かける時に「今日はどこまで行くの?」と聞くと「お花を探しに行くの!」と言った子がいました。「暖かくなってきたから、きっとお花が咲いているね。見つけられるといいね。」と言いながら送り出しました。しばらくして帰ってきた子どもたちが「お花あったよ。たんぽぽ咲いてたの。」と言いながらポケットからたんぽぽをそっと取り出して見せてくれました。萎れてしまっていたたんぽぽやその他の小さな花。子どもたちの大切な宝物です。「お部屋でお水に挿してあげようね。」と声をかけました。こんな些細なやりとりから、子どもたちの心(思い)がほんの少しですが見えてくるように思います。先日、ある講演会でこのようなことを聞いてきました。「子どもの思考力の芽生えはとても繊細でささやか。ちゃんと芽生えがあるのに気づかれなかったらなかったことにされてしまう。」と。子どもの些細な言動を大人がどう観るかによって、子どもの芽生えはつぶされてしまうこともあるし、とても大きく育つこともあるのです。目に見えることばかりにとらわれず、目には見えない育ちを見逃さずにしっかりと応答してあげたいと思います。その温かなまなざしが子どもの成長につながるということを大人が信じていきたいと思います。
 この3月には36名の子どもたちがこども園を巣立っていきます。こども園で過ごした時間はそれぞれですが、ここで出会った人や経験したことすべてが子どもたちの栄養になり、いつか豊かな実を結ぶと信じています。
今年度もこども園のことにつきましては、保護者のみなさまにご理解・ご協力をいただき感謝申し上げます。子どもは私たちに笑顔をくれる宝物のような存在です。大切な子どもたちをお預かりさせていただくことに感謝をしながら、ご家族にとっても安心していただける園であるように努力を続けていきます。
                                              岡田 絵里子