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12月コラム 子ども自身が考える

子ども自身が考える

 先月の感謝祭には野菜や果物の持ち寄りのご協力をいただきまして、ありがとうございました。神さまが与えてくださった恵みには感謝をささげ礼拝を守り、お世話になっている方々に感謝の気持ちを込めてお届けしました。5歳児は、特別老人ホーム・ケアホーム『しあわせ』さんに訪問しました。子どもたちが歌を歌うと、笑顔で手拍子をして下さる方や涙を流して観てくださる方がいました。最後に、子どもたちは一人ずつ握手をして「ありがとう」と感謝の気持ちを伝えました。手と手の温かさを感じ喜びを分かち合うことができました。
 さて、土曜保育の子どもたちと散歩に出かけ近隣を歩いていた時の事です。3歳児のAちゃんとBちゃんは仲良く手をつないで歩いていたのですが、突然「いや」とAちゃんの声が聞こえたので振り向くと、Aちゃんは手を離し、Bちゃんは頬を膨らませて怒っているようでした。「どうしたのかな?……」このようにこども園の中で、意見のぶつかり合いやトラブルは、よくあることです。セルマンによる役割取得能力の発達段階によると3歳~5歳は、自己中心的役割取得(自分の視点でしか物事がとらえられない、自己中心的な姿を現す。わがままではなく、他の人が感じたり、考えたりすることが自分の考えとは異なるかもしれないことを認識できない特徴がある)6歳~7歳は、主観的役割取得(自分と他の人のそれぞれが別の視点を持つことを理解し、少し相手の視点を考えるようになるが、一度に複数の視点をとらえることはできない)と言われています。しかし、年齢が上がると共に発達していくものではありません。子どもが葛藤場面でどうすればいよいか自分で考えることを通して育っていくものです。大人が解決したり、「ごめんなさい」だけで終わったりするのではなく、それぞれの思いを伝えあい、どうすればお互い納得できるのか子ども自身が考えられるよう、私たち(大人)が時間をかけて援助することは、子どもがその長い発達の道筋を歩み始めることにつながると思います。AちゃんとBちゃんのトラブルの原因は、Bちゃんの肘がAちゃんのお腹に当たったことが叩いたと思われてしまった事でした。お互いの気持ちを言葉で伝えあうと納得し、再び手をつないで歩き始めました。
 アドヴェント(待降節)に入りました。子どもたちとクリスマスを迎える準備を楽しみに過ごしていきたいです。                                                        太田康子