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3月コラム「甘え」と「甘やかし」

「甘え」と「甘やかし」

 穏やかな陽の光が嬉しい季節になりました。子どもたちは、お散歩に出掛けるとあちらこちらで咲き始めたお花に興味津々、時には、そっと「桜の花びらを見つけたよ」と春の訪れを感じさせてくれます。
 さて、先日はクラス懇談会に多数ご参加いただきありがとうございました。各クラスの担任と1年間を振り返り、子どもたちの成長を保護者の皆さまと共に感じ喜び合うひと時となりました。また、座談会では、子育ての悩みを共有し、情報交換などざっくばらんに話し合うことが出来たかと思います。3歳児の座談会の話題に「甘え」と「甘やかし」の境界線が難しい、甘やかし過ぎると我が儘になるのでは…と悩んでいたお母さまがいました。「甘え」は子どもから求める愛着行動ですが、「甘やかし」は大人本位です。たとえば、時間がかかるからと子どもの着替えを手伝ったり、子どもがもっとお菓子が欲しいと泣き叫んでいる時にごねられるのが面倒だからと与えてしまうことなどです。子どもは、その行動を学習します。ここで「甘え」をとらえる3つのポイントを紹介します。まずは、愛着行動としての「甘え」です。子どもは、不安等によりストレス状態になった時に大人にくっつくことで安心して、それを解消します。次に、自立につながる「甘え」です。甘えが受け止められることで、安心感だけではなく、自己肯定感も育ちます。受け止めてもらえるだけの価値がある自分という感情が生じるからです。この感情が自信を育み、自分への信頼を支え自立に向かいます。そのため、甘えを十分に受け止められた子どもほど自立していきます。そして、子どもの理解のサインとしての「甘え」です。言語化できない思いを甘えとして表現することが多くみられます。「甘え」が見られなかったり、執着したりする子どもの姿からは、心のSOSに気づくこともあります。今まで、甘えさせることを否定的にとらえていませんでしたか?私たち保育者は、ありのままの甘えを受け止めるように保育をしています。ありのままの甘えを受け止めるとは、子どもの愛着行動に気づき、気持ちを受け止めて安心感を生じさせることです。子どもの要求を実現させることではありません。「どうしてこのようなことをするのだろう?」「どうして言うのかな?」と子どもの思いを理解することです。これからも、目の前にいる子どもの姿や言葉を通して子どもの思いを受け止めて保育していきたいと思います。今年度も、園の運営にご理解とご協力をいただきましたことに感謝申し上げます。ありがとうございました。(*愛着関係をはぐくむ保育 帆足暁子より抜粋)