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コロナ禍の中にあっても

2月を迎え、木の芽や草花が春の訪れを待っています。
こども園に活気がもどりました。自粛明けで、久しぶりに友だちに会うことができた子どもたちの心はとても弾んでいました。乳児クラスも落ち着きが見られ、幼児クラスはサッカー、つき山のぼり等々、園生活を楽しむ様子にほっとしました。保護者の皆様にはご心配とご負担をお掛けしたかと思います。ご協力ありがとうございました。
感染力が強いとされるオミクロン株はだれがかかってもおかしくない状況です。職員も全員検査を受け、陰性を確認しています。園内では、こども園とかるみあの職員は接触を避けるために、事務所を分け、間仕切りのドアも閉じています。このような中にあっても、私たちが理念とする「人を愛すること」「人に愛されること」の喜びを、子どもたちにはできるだけ多く経験させたいと考えて、日々の保育そして療育にあたりたいと思います。

こうのとり富丘 園長 永島 弘美

一人ひとりの「えがお」を知るために     
施設の状況においては、ご家族の皆さまにも大変な心配をおかけしました。そして検温等日々の健康観察とご報告、本当にありがとうございます。思いがけず職員への励ましや労いのお言葉を繰り返しいただき、感謝いたします。かるみあ富丘(そら組)は通常運営を続けていましたが、先日あるご家庭より、「せんせい達が大変だからお休みしよう、って子どもを説得したんだけど泣かれちゃって」とお話がありました。そして、その後予定通り登園してくれました。申し訳ないという思いとともに、ご家族の心遣いやお子さんの反応に、職員みんなの心が潤い、登園してくれたことにほっと胸をなでおろしたところです。
施設においても、子ども達の少しの変調に対応するため、引き続き健康管理をしっかり行っていきます。その上で、ご家庭でご協力をいただくこともあるかもしれません。皆さまにとって、安心・安全な施設であり続けるため、皆さまのご理解とご協力をいただきながら、3事業で協働して感染対策と衛生管理を続けてまいります。
 さて、このような中でも、富丘の子ども達は変わらず「えがお」で過ごしています。この「えがお」について。
以前、私が「えがお」をひらがな表記と漢字表記に分けたことに関し、質問をいただだいたことがありました。
 私たち人間は、感情の表出が非常に幅広く豊かで、そして繊細です。例えば、そら組の子ども達。“快”の表出については、「笑顔」はもちろん、両手をいっぱいに広げながらの拍手、視線やまばたき、頬の揺らぎなど少しの表情変化、手足や身体のささやかな動きなど、あらゆる方法で、自分が「楽しんでいること」「喜んでいること」「期待していること」を私たちに知らせてくれます。そしてこれらの全てがその子の「えがお」であり、「『えがお』でいること」を、私たちに伝えようとしているのだと思えるのです。また、“不快”についても同様です。痒さや眠さの他、姿勢の違和感なども一生懸命知らせてくれます。子ども達が、自分の持つ力、身につけた方法で感情や要求を表現する姿には、いつも心を動かされ行動を駆り立てられます。そして、常識や概念、仮説にとらわれず、子どもの姿や現象を素直に見ることがいかに大切かを知らされています。
 まだまだ、感染状況は落ち着かず、マスク越しの対面も続きます。表情が見えないことが子どもたちの育ちに与える影響を危惧する声も聞かれます。それでも、表情が見えにくくても、目の動きや声色、触れる手の柔らかさで大切にされているという実感を十分に持つことができると私は信じています。そして、子ども達が表出する「えがお」に、しっかり応えていきたいと思うのです。発信する力に応える受信力。どんな状況においても、私達が本質的に大切にしなければならないことが見えてきそうです。  

かるみあ富丘 所長 大塚 美美