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夏本番

夏の遊びを楽しむ子どもたちの歓声が2階のテラスそして園庭に響き渡ります。
先週は幼児クラスの子どもたちが家族と一緒に『夕涼み会』を楽しみました。保護者会役員の皆様には準備から片付けまで本当にありがとうございました。また、保護者の皆様、時間変更へのご協力など感謝いたします。
光る金魚すくいやわなげ、そして千本引きも加わり、楽しんでいただけましたでしょうか。
先日、朝一番に「チョウチョになったよ」と呼びに来てくれたIくん。さくら組(年長)の飼育ケースの中で羽化したアゲハ蝶が2匹、ゆっくりと羽を動かし、子どもたちが見守る中、大きく羽を広げ巣立っていきました。園庭の菜園ではキュウリがたくさん実り、「キュウリを取りに行ってくるね」と友だちと毎日収穫するのが子どもたちの日課になっているようです。キュウリはだし醤油と酢で漬物にしたり、サラダにしたりしています。
暑い夏はまだまだ続きそうですが、熱中症などに注意を払いながら夏を楽しみたいものです。
聖隷こうのとり富丘 施設長 永島弘美


「遊ぶ権利」
今年度、かるみあ富丘は、「にじ組」「そら組」「居宅(自宅)」の体制でスタートし4か月が経ちました。現在、17名の子どもたちが「そら組」「にじ組」(児童発達支援)で過ごし、2名の子どもたちが「おうち」(居宅訪問型児童発達支援)で過ごしています。
子どもたちを見ていても、そしてご家族と話をしていても、それぞれの育ちや身体状況に合った環境に身を置きながら、いろいろな遊びや体験を積み重ねていくことは、とても大切で価値あることだと感じています。
「おうち」で過ごす子どもたちは、必要な医療的ケアを自宅で続けながら、生活年齢や発達段階に応じた療育を楽しんでいます。通所が難しいからといって、経験が制限されたり待たされたりすることはあってはなりません。遅ればせながら日本が1994年に批准した国際法「児童の権利に関する条約」でも、「生きる権利」「育つ権利」「守られる権利」「参加する権利」の4つの柱が謳われています。どんな状況下にあっても、何かに合わせることに努力を求められることなく、安心して過ごせる場所ですべての子どもがその子らしく、心や身体を休ませながら楽しいことや好きなことを増やしていく「遊ぶ権利」が保障されるべきです。
日本国内でも、既に昨年9月には「医療的ケア児支援法」が施行され、「こども基本法」が今年の6月に国会で可決成立、2023年4月に公布されることとなりました。
私たちは、生きていく中で自身が置かれた環境を受け入れ(受け入れられ)、時には適応するために非常に多くのエネルギーを注がなければならない時があります。そして、子どもたちにおいても、そこに注力しすぎることで本来叶うべき遊びの経験がおざなりになる危険もあるのです。法整備は進んでいますが、すべての子どもの「遊ぶ権利」が保証される環境と仕組みづくりの歩みをとめてはなりません。
かるみあ富丘は、「にじ組」「そら組」の2クラス体制としました。ただし内情は、子どもたちの状況や活動の内容などにより適宜変更を伴う柔軟な編成としています。当然のことではありますが、発達を支える上で、“環境を合わせていく”という視点はとても大切です。たとえば、他者の意図理解、共感性ややりとりの芽生えに向け、“名前を呼びかけられたら反応を返していく”ことを目標とし、大人と一緒に経験していく段階のお子さんに対しては、モデルとなる大人やお友だちの存在が大切です。そのため、その経験が叶う環境をクラスの壁をなくして作り上げていきます。これまでも私たちは、子どもたち、そして保護者の思いや願いをベースに、一人ひとりに合わせた環境づくりと遊びの提供を続けてきました。
生活年齢や発達段階、身体状況に添うことはもちろん、その子の今日に合わせた保育・療育・看護を受けられる柔軟な環境がいつもあることが、ここ「とみがおか」が目指す姿だと考えます。
かるみあ富丘 所長 大塚美美