令和3年度 聖隷佐倉市民 病院指標

  1. 年齢階級別退院患者数
  2. 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  3. 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
  4. 成人市中肺炎の重症度別患者数等
  5. 脳梗塞の患者数等
  6. 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  7. その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)
年齢階級別退院患者数ファイルをダウンロード
年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 106 346 124 140 365 661 1102 2170 1509 329
2021年度中に当院を退院した患者さんの年齢を10歳刻みで集計しました。年齢階級別にみると60歳以上の患者さんの割合が全体の7割を占めています。高齢化に伴い佐倉市だけではなく、近隣の市にお住まいの患者さんも多く来院しています。また、10歳以上の患者さんが多いのは、主に整形外科の側彎症に関する入院が多くなっているからです。全国から患者さんが来院し、手術を実施しております。
診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
腎臓内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110280XX9900XX 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 198 16.55 10.39 2.00% 71.74
110280XX03X0XX 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 内シャント血栓除去術等 手術・処置等2 なし 146 3.22 4.60 0.00% 71.21
110310XX99XXXX 腎臓又は尿路の感染症 手術なし 48 38.21 13.14 6.25% 81.38
050130XX9900XX 心不全 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 40 21.40 17.35 2.50% 80.45
110280XX02X1XX 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 動脈形成術、吻合術 その他の動脈等 手術・処置等2 1あり 38 40.58 34.08 0.00% 65.63
当院腎臓内科では、検尿異常から透析導入後の合併症まで含めた総合的な腎医療を行っています。
腎生検を基に、腎障害の原因を特定した上で、的確な治療法を選択しています。腎機能が進行した患者さんに対しては、教育入院を積極的に取り入れ、食事療法・薬物療法・生活習慣の見直し等を行っています。更に腎機能が増悪した場合には、腎代替療法に備えた準備(内シャント・腹膜カテーテル挿入)を行い、適切な時期に透析導入を行っており、腎移植を希望される方には専門施設への紹介を行っております。また、透析を導入した後にシャント閉塞・狭窄を起こした際には、経皮的シャント拡張術を行う等、様々な治療を行っています。
当科で最も多いのが、慢性腎臓病の治療・教育入院ですが、通常1~2週間程度の入院期間で、医師・看護師・薬剤師・管理栄養士など他職種が関わり、適切な薬物治療・食事療法・生活習慣の見直し等を行い、腎臓病に対する正しい知識を習得します。また、SDMを行い、腎代替療法専門指導士と協力して患者さんにとって最適な治療法を選択しています。
消化器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060100XX01XXXX 小腸大腸の良性疾患(良性腫瘍を含む。) 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術 238 2.11 2.65 0.00% 65.19
060340XX03X00X 胆管(肝内外)結石、胆管炎 限局性腹腔膿瘍手術等 手術・処置等2 なし 副傷病なし 30 12.17 9.21 0.00% 77.10
060102XX99XXXX 穿孔又は膿瘍を伴わない憩室性疾患 手術なし 19 9.84 9.21 0.00% 65.63
040081XX99X0XX 誤嚥性肺炎 手術なし 手術・処置等2 なし 17 29.59 20.57 23.50% 82.35
060390XXXXX0XX 細菌性腸炎 手術・処置等2 なし 14 6.07 7.50 0.00% 48.50
近年の健康診断や人間ドックの受診者の増加に伴い、癌の早期発見が著しく増加しております。当院では内視鏡下で大腸ポリープ切除を目的に入院された患者さんが最も多い疾患となります。
次いで結石を伴う胆管炎や胆嚢炎です。内視鏡を用いて胆管造影を行いながら、胆管内の結石を直接または砕いて掻き出す方法や、胆管や胆嚢の炎症を軽減させるために、一時的にステントやチューブを留置したりします。
また、憩室に大腸菌などの腸内細菌が繁殖して炎症を起こした憩室炎等は安静や絶食、抗菌薬による治療を行い、平均で10日ほどで退院されます。
誤嚥性肺炎の患者さんも受入れており、年齢、合併症など重症度を考慮し、適切な治療法を選択しています。重患者さんに合わせ専門スタッフによる心不全や呼吸機能に対するリハビリを早期から行っています。また嚥下機能訓練を行っており、必要に応じ胃瘻造設行い、再発の防止に対する治療をしています。
ウイルスや細菌感染が原因の腸炎は、嘔吐や下痢による脱水症を引き起こす場合が多く、補液を行うと数日で退院可能となります。
循環器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050050xx0200xx 狭心症、慢性虚血性心疾患 経皮的冠動脈形成術等 手術・処置等1 なし、1,2あり 手術・処置等2 なし 50 4.28 4.36 0.00% 69.34
050050xx9910xx 狭心症、慢性虚血性心疾患 手術なし 手術・処置等1 1あり 手術・処置等2 なし 32 3.94 3.06 3.13% 67.34
050130xx9900xx 心不全 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 23 20.09 17.35 13.04% 82.22
050170xx03000x 閉塞性動脈疾患 動脈塞栓除去術 その他のもの(観血的なもの)等 手術・処置等1 なし、1あり 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 15 3.20 5.32 0.00% 73.47
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主に虚血性心疾患・不整脈・心不全・下肢動脈硬化症の治療を行っています。
最も多いのは、狭心症・心筋梗塞に対する「心臓カテーテルによる検査・治療」の為の入院となっております。
心臓カテーテルによる治療では、経皮的冠動脈ステント留置術(PCI)を行っています。また、下肢閉塞性動脈硬化症に対する血管治療では、四肢の血管拡張術(PTA)の治療を行っています。又、高齢者の人口増加に伴い、心不全患者さんも年々増えています。
治療する患者さんの傾向として、「透析治療を行っている末期腎不全患者さん」・「リスクのある整形外科手術を控えた患者さん」・「生活習慣病を患っている患者さん」が多くなっております。現在4人の心不全療養指導士を中心に、医師、看護師、薬剤師、栄養士、理学療法士、ケースワーカー等、多職種でカンファレンスを行い、患者さんによりよい医療を提供するよう努めています。
外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060160X001XXXX 鼠径ヘルニア(15歳以上) ヘルニア手術 鼠径ヘルニア等 125 5.04 4.74 0.00% 69.42
060035XX010X0X 結腸(虫垂を含む。)の悪性腫瘍 結腸切除術 全切除、亜全切除又は悪性腫瘍手術等 手術・処置等1 なし 副傷病なし 27 22.74 15.76 0.00% 73.04
060335XX02000X 胆嚢炎等 腹腔鏡下胆嚢摘出術等 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 副傷病なし 25 9.80 7.11 4.00% 62.00
060020XX02XXXX 胃の悪性腫瘍 胃切除術 悪性腫瘍手術等 23 26.48 18.34 0.00% 75.00
060330XX02XXXX 胆嚢疾患(胆嚢結石など) 腹腔鏡下胆嚢摘出術等 22 7.18 6.25 0.00% 58.64
外科で最も多い入院症例数は鼡径ヘルニアです。腸等の臓器が太ももの付け根に飛び出してしまう疾患でメッシュなどの人工補強材筋膜の弱い部分に入れ補強する手術を行っています。
また、近年、食生活の変化とともに大腸がん(結腸悪性腫瘍および直腸悪性腫瘍)が増え、手術が必要な患者様も増加しています。胃がんは減少傾向にありますが、胃癌においてもいまだ手術が必要な患者様も多い状況です。共に、手術に際しては侵襲性の少ない腹腔鏡下での手術を可能ならまず選択としております。転移を伴うかなり進行した場合でも抗がん剤との組み合わせにより根治できる割合が増えてまいりました。当院ではできうる限り副作用のない治療を目指しています。
胆石症及び胆石を原因とした胆嚢炎も多く、ほとんどの患者さんは腹腔鏡での手術が可能です。胆石があっても症状が全く無ければ、必ずしも手術は必要ではありませんが、胆石発作予防のための手術も可能です。しかし、症状が出現した場合は早期手術治療が推奨されています。
呼吸器外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040040xx9910xx 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1 あり 手術・処置等2 なし 41 4.95 3.30 0.00% 72.85
040040xx9900xx 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 27 15.22 13.12 7.41% 78.67
040040xx97x00x 肺の悪性腫瘍 手術あり 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 26 11.35 10.47 0.00% 71.35
040040xx99040x 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 4あり 定義副傷病 なし 15 7.67 9.07 0.00% 71.73
040040XX9909XX 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 9あり 10 10.80 10.46 0.00% 73.90
人間ドック、健診等の検査で肺陰影等による要精密となり受診する患者さんが増えています。必要に応じて1泊2日の入院期間で、気管支鏡下経気管肺生検の検査を行います。検査結果で悪性の患者さんに対しては、抗がん剤の治療や、胸腔鏡下悪性腫瘍摘出手術を行います。手術患者の平均入院期間は12~13日です。進行した悪性胸膜中皮腫に対しては抗がん剤で治療します。
また、肺がんが原因の呼吸苦、疼痛、食欲不振等の保存的治療も行っています。
当院では、健診、外来、入院、手術、抗がん剤治療、放射線治療、緩和医療と、一連を通した治療を行っており、よりスピーディーな医療の提供に努めています。
整形外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
070180xx97xxxx 脊椎変形 手術あり 335 8.38 21.52 0.30% 22.52
160800xx01xxxx 股関節・大腿近位の骨折 人工骨頭挿入術 肩、股等 178 33.70 25.32 41.57% 81.57
07040xxx01xxxx 股関節骨頭壊死、股関節症(変形性を含む。) 人工関節再置換術等 95 32.27 20.63 2.11% 69.03
070343xx01x0xx 脊柱管狭窄(脊椎症を含む。) 腰部骨盤、不安定椎 脊椎固定術、椎弓切除術、椎弓形成術(多椎間又は多椎弓の場合を含む。) 前方椎体固定等 手術・処置等2 なし 62 23.05 20.31 1.61% 68.27
160690xx99xxxx 胸椎、腰椎以下骨折損傷(胸・腰髄損傷を含む。) 手術なし 49 27.92 19.34 24.49% 81.49
主に脊椎変形(脊椎側弯症)・腰部脊柱管狭窄症・腰椎椎間板ヘルニアを代表とする脊椎疾患と股関節大腿近位骨折・変形性股関節症・を代表とする関節疾患に対する治療を行っています。
 脊椎変形に関しては脊椎側彎症手術を実施しております。対象は、小学生~高校生の患者さんが多く、県外からも多くの患者さんが来院されています。
関節疾患では、股関節・肩関節・肘関節・手指関節等それぞれ専門的な治療を行っています。また高齢に伴う骨粗鬆症の原因による骨折が多いため、骨粗鬆症リエゾンサービス委員会を設置し、治療に取り組んでいます。術後は、症状安定後、リハビリ目的の為に転院される患者さんが多くなっています。
乳腺外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
090010xx010xxx 乳房の悪性腫瘍 乳腺悪性腫瘍手術 乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴うもの(内視鏡下によるものを含む。))等 手術・処置等1 なし 83 11.24 10.15 0.00% 62.99
090010xx02xxxx 乳房の悪性腫瘍 乳腺悪性腫瘍手術 乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴わないもの) 63 7.67 5.88 0.00% 58.92
090010xx97x0xx 乳房の悪性腫瘍 その他の手術あり 手術・処置等2 なし 40 4.60 6.37 0.00% 57.60
090010xx04xxxx 乳房の悪性腫瘍 組織拡張器による再建手術(一連につき) 乳房(再建手術)の場合等 12 8.42 8.10 0.00% 53.67
090010xx99x0xx 乳房の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等2 なし 12 13.00 9.61 0.00% 66.92
乳腺外科では近年、乳がん検診の受診者の増加に伴い、検診後要精密となった方が受診し、手術目的で入院治療をおこなっています。
最も多い疾患は、乳がんの患者さんに対する入院加療となります。
術式の選択は、手術中にセンチネルリンパ節生検を実施し、リンパ節への転移の有無を確認し、的確な術式の決定を行っています。
いずれの場合においても、治療前、手術前に外来で、医師、看護師から患者さんに充分な説明をし、患者さんに同意を得た上で治療方針を決定しています。また組織拡張器を用いた乳房の再建術も行っています。患者さんの状態により、術前化学療法の実施、術後の放射線治療、薬物療法等も実施しています。
眼科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
020110xx97xxx0 白内障、水晶体の疾患 手術あり 片眼 474 1.95 2.71 0.00% 75.22
020220xx01xxx0 緑内障 緑内障手術 濾過手術 片眼 65 7.68 9.47 0.00% 73.40
020220xx97xxx0 緑内障 その他の手術あり 片眼 61 3.28 5.41 0.00% 75.80
020160xx97xxx0 網膜剥離 手術あり 片眼 21 7.52 8.48 4.76% 56.33
020200xx9710xx 黄斑、後極変性 手術あり 手術・処置等1 あり 手術・処置等2 なし 18 4.50 6.14 0.00% 72.83
白内障に対し混濁した水晶体を取り除き「眼内レンズ」と呼ばれる人工的なレンズを挿入し、視力を回復させる水晶体再建術を行っています。
また緑内障や黄斑変性、網膜剥離等の手術も他院からの紹介の患者さんも多数実施しています。
泌尿器科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110080xx991xxx 前立腺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1 あり 87 3.13 2.50 0.00% 70.85
11012xxx020x0x 上部尿路疾患 経尿道的尿路結石除去術 手術・処置等1 なし 定義副傷病 なし 48 6.02 5.56 0.00% 63.00
110070xx03x0xx 膀胱腫瘍 膀胱悪性腫瘍手術 経尿道的手術 手術・処置等2 なし 42 9.57 7.02 2.38% 73.33
110200xx02xxxx 前立腺肥大症等 経尿道的前立腺手術等 29 11.21 8.23 0.00% 75.00
11022xxx99xxxx 男性生殖器疾患 手術なし 13 8.15 9.42 0.00% 76.08
千葉県北総地域も高齢化社会を迎え、尿路・生殖器疾患の治療件数が増えています。
当科では、前立腺癌・前立腺肥大症・尿管結石症等に対して内視鏡手術や放射線治療を行っています。
また、膀胱癌のような尿路悪性腫瘍の治療も国際的に標準となる治療法を勧めています。
局所限局の前立腺癌に対しては強度変調放射線治療を中心に行っております。
血管外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050180XX02XXXX 静脈・リンパ管疾患 下肢静脈瘤手術等 27 4.22 2.75 0.00% 70.63
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下肢の静脈瘤に対し、軽症では外来での硬化療法あるいは高位結紮術を行います。また重症例では数日間の入院でストリッピング術を行います。
下肢の閉塞性動脈疾患に対しては、まずABI(四肢血圧測定)検査を行い必要があればCTあるいはMRI検査を追加します。手術適応があると判断されれば下腿(膝下)や足背動脈へのバイパス術も積極的に行っております。
耳鼻咽喉科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
030400xx99xxxx 前庭機能障害 手術なし 31 7.48 4.92 0.00% 73.19
030240xx99xxxx 扁桃周囲膿瘍、急性扁桃炎、急性咽頭喉頭炎 手術なし 10 4.70 5.71 0.00% 51.50
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市中の急性期病院の耳鼻咽喉科として、前庭系眩暈と急性扁桃炎などの咽喉頭急性炎症での緊急入院が多くなるのは全国的に見ても変わりはありません。
また、当院は腎臓内科が充実しており、重要なCKD疾患であるIgA腎症の患者さんへの治療の一環としての口蓋扁桃摘出術と術後のステロイドパルス療法症例が継続的にあります。
それら以外の耳鼻咽喉科入院症例の特徴としては、当科が重点的に対応している重度嚥下障害症例への集学的リハビリテーション入院や嚥下機能改善手術、誤嚥防止手術などの積極的外科的治療を施行する症例が経年的に増加傾向にあります。
また、早期咽喉頭癌へ保険適応が認められた鏡視下咽頭喉頭悪性腫瘍手術を腫瘍進展を正確に把握した上で積極的に行っています。
小児科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
100250xx99x10x 下垂体機能低下症 手術なし 手術・処置等2 1あり 定義副傷病 なし 24 1.79 3.19 0.00% 9.17
080270xxxx1xxx 食物アレルギー 手術・処置等1 あり 16 2.00 2.13 0.00% 3.19
040090xxxxxx0x 急性気管支炎、急性細気管支炎、下気道感染症(その他) 定義副傷病 なし 16 4.31 5.83 0.00% 1.44
040100xxxxx00x 喘息 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 15 5.27 6.24 0.00% 3.93
110280xx9900xx 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 14 11.43 10.39 0.00% 15.57
当院小児科は医師・看護師・クラークが一丸となり、地域に根差したより良い医療の提供を心がけています。午前は一般外来を行っており、発熱などの急性期外来が主体となります。午後の診療は全て予約制で、予防接種・乳幼児健診と専門外来となります。
低身長や思春期早発・遅発を診療する「低身長外来」では、1泊2日または日帰り入院によるホルモン分泌試験を行い成長ホルモン補充療法の必要性や適切な思春期発来時期の検討を行います。食物アレルギーやアトピー性皮膚炎などを診療する「アレルギー外来」では、安全に食べることを目的とした食物アレルギーの診断や入院による経口食物負荷試験の必要性等を判断します。また実際のアレルギー食材摂取に関しては当院栄養士も介入しながら個々の摂取量に合わせた様々な食材を安心して摂取できるようお話しいたします。
アトピー性皮膚炎は外来でのプロアクティブ治療導入だけではなく、身体の洗い方や軟膏塗布の方法を習得できる入院プログラム(スキンケア入院)も有しています。
また、小児期の腎臓疾患を診療する「腎臓外来」では、ネフローゼ症候群や慢性糸球体腎炎などの疾患について、入院での検査(腎生検等)や治療(ステロイド治療等)の必要性も併せ総合的に判断しています。
夜尿症を専門的に診療する「夜尿症外来」もあり、これらの専門外来には他院からの紹介も多く、より専門的な診察を受けられます。
その他感染症、川崎病、喘息発作など入院加療が必要な患者様の積極的な受け入れを行っています。
緩和医療科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040040xx9900xx 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 23 14.78 13.12 0.00% 77.83
060035xx99x0xx 結腸(虫垂を含む。)の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等2 なし 13 14.92 8.04 0.00% 80.00
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悪性腫瘍の患者様で、緩和ケアを希望される方を対象としております。痛みを始めとする心身の諸症状の緩和を医師や看護師ももちろんのこと、薬剤師、栄養士、理学療法士、作業療法士、ソーシャルワーカーなどが参加するチームで積極的に行っております。
初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数ファイルをダウンロード
初発 再発 病期分類
基準(※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 28 - 12 18 24 10 1 8
大腸癌 21 38 38 52 29 21 1 8,7
乳癌 78 70 16 13 12 17 1 8,7
肺癌 20 - 43 33 51 17 1 8,7
肝癌 - - - - 30 17 1 8,7
※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約
成人市中肺炎の重症度別患者数等ファイルをダウンロード
患者数 平均
在院日数
平均年齢
軽症 - - -
中等症 81 28.06 81.43
重症 14 41.93 85.86
超重症 - - -
不明 - - -
脳梗塞の患者数等ファイルをダウンロード
発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
3日以内 - - - -
その他 15 43.07 70.40 30.43
診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K6335 ヘルニア手術(鼠径ヘルニア) 126 1.06 2.98 0.00% 69.28
K672-2 腹腔鏡下胆嚢摘出術 56 2.59 5.84 1.79% 61.11
K7193 結腸切除術(全切除、亜全切除又は悪性腫瘍手術) 23 12.09 18.70 0.00% 74.87
K719-3 腹腔鏡下結腸悪性腫瘍切除術 23 8.26 14.91 0.00% 71.61
K6552 胃切除術(悪性腫瘍手術) 18 8.33 27.33 5.56% 76.17
手術件数に関しても鼡径ヘルニアに対する手術が最も多くなっています。入院期間は概ね5日間です。次いで胆石胆嚢炎に対する腹腔鏡下胆嚢摘出術が多くなっています。入院期間は概ね1週間です。大腸がん(結腸、直腸がん)の手術も多く、胆嚢と同様、傷の小さな腹腔鏡手術の割合が増えています。
次いで胃がんの手術も多く、可能なら同様な腹腔鏡手術を行いますが、進行胃がんが多く、まだ、比率は低い状態です。その他、肝臓がん、膵臓がんに対する手術も積極的に行っています。

整形外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0461 骨折観血的手術(大腿) 等 140 2.44 33.33 32.14% 80.70
K0821 人工関節置換術(股) 等 115 3.00 31.63 4.35% 69.58
K142-21 脊椎側彎症手術(固定術) 99 2.14 17.51 0.00% 20.63
K0811 人工骨頭挿入術(股) 56 2.89 31.29 50.00% 82.07
K0462 骨折観血的手術(前腕) 等 54 3.06 22.94 3.70% 66.59
当院では脊椎系が多く、脊椎側彎症や椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症等に対する手術となっております。また、高齢者に多い大腿骨の骨折に関する手術も多くなっております。
整形外科医師の中にも様々な専門分野があり、脊椎系、関節系(股、肩、腕等)の医師が専門に特化した手術を行っています。
眼科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K2821ロ 水晶体再建術(眼内レンズを挿入する場合)(その他のもの) 466 0.45 0.48 0.00% 75.06
K2683 緑内障手術(濾過手術) 64 0.81 5.88 0.00% 73.42
K2682 緑内障手術(流出路再建術) 48 0.50 0.83 0.00% 76.92
K2801 硝子体茎顕微鏡下離断術(網膜付着組織を含むもの) 48 0.63 4.75 0.00% 64.17
K2802 硝子体茎顕微鏡下離断術(その他のもの) 28 0.82 4.29 0.00% 68.46
当院では白内障の手術が最も多く、手術も日帰り若しくは1泊2日で行っています。また、緑内障手術では濾過手術を初め、房水流出障害に対し流出再建術やチューブインプラント挿入術も多数行っています。
糖尿病性網膜症や網膜剥離などの緊急手術にも対応しております。
消化器内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2センチメートル未満) 231 0.02 1.08 0.00% 65.49
K688 内視鏡的胆道ステント留置術 40 4.98 15.38 2.50% 75.23
K7212 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2センチメートル以上) 12 0.08 1.33 0.00% 62.42
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当科では1泊2日の入院期間で行う内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術が最も多い手術です。大腸に出来たポリープを内視鏡を使って切除・治療するので 一般的な開腹外科手術とは違い、患者さんの負担は少ないです。
次いで多い手術は、胆管や胆嚢の炎症を軽減させる為、内視鏡を用いて胆管造影を行いながら胆汁の流れが悪くなった部分にステントを留置する内視鏡的胆道ステント留置術です。
腎臓内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K616-41 経皮的シャント拡張術・血栓除去術(初回) 69 4.86 2.75 4.35% 70.49
K6121イ 末梢動静脈瘻造設術(内シャント造設術)(単純なもの) 38 6.63 19.82 0.00% 66.50
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維持透析を行うために必要な末梢動静脈瘻造設術(内シャント造設術)を行っています。また、シャントが狭窄又は閉塞となった症例に対して経皮的シャント拡張術・血栓除去術を行っています。腹膜透析を選択した場合にはテンコフカテーテルの挿入を外科医のサポートのもと行っています。
循環器内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K5493 経皮的冠動脈ステント留置術(その他のもの) 43 2.81 2.72 0.00% 70.63
K616 四肢の血管拡張術・血栓除去術 19 1.05 2.16 5.26% 71.84
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不安定狭心症などの虚血性心疾患に対して、経皮的冠動脈ステント留置術(PCI)が多く行われています。経皮的冠動脈ステント留置術とは、直径2mmほどの細長い菅(カテーテル)を、主に手首、脚の付け根などにある動脈から挿入し、血管の詰まった箇所まで到達させてカテーテルの先につけた 風船(バルーン)を膨らませ、病変部の血管を拡げた後、金属の筒(ステント)で血管を内側から固定させる治療法です。この治療法の良い点は、体を大きく切る必要がない為、患者さんの身体的負担が少ないことです。また、下肢閉塞性動脈硬化症に対する血管治療でも同様に、バルーンやステントによる四肢の血管拡張術(PTA)を行っています。
乳腺外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K4762 乳腺悪性腫瘍手術(乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴わないもの)) 63 1.57 5.10 0.00% 58.92
K4763 乳腺悪性腫瘍手術(乳房切除術(腋窩部郭清を伴わないもの)) 55 1.78 8.07 0.00% 62.45
K6112 抗悪性腫瘍剤静脈内持続注入用植込型カテーテル設置(四肢) 19 0.00 1.00 0.00% 59.89
K4765 乳腺悪性腫瘍手術(乳房切除術(腋窩鎖骨下部郭清を伴うもの)・胸筋切除を併施しないもの) 17 1.71 9.18 0.00% 66.18
K6113 抗悪性腫瘍剤静脈内持続注入用植込型カテーテル設置(頭頸部その他) 13 0.15 1.62 0.00% 58.62
乳がんに対しての手術が主になります。「乳房温存手術」(がんが存在する部分とその周囲のみを切除)、「乳房切除術」(すべての乳房を切除する)、化学療法を行う際、薬剤を注入する為のカテーテル設置の手術も1泊で行っております。
泌尿器科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K7811 経尿道的尿路結石除去術(レーザーによるもの) 49 2.53 3.47 0.00% 63.22
K8036イ 膀胱悪性腫瘍手術(経尿道的手術)(電解質溶液利用のもの) 42 2.00 6.90 2.38% 73.93
K8411 経尿道的前立腺手術(電解質溶液利用のもの) 30 2.57 7.47 0.00% 74.90
K783-2 経尿道的尿管ステント留置術 17 1.41 4.47 0.00% 61.65
K773-2 腹腔鏡下腎(尿管)悪性腫瘍手術 11 2.00 10.82 0.00% 72.55
当科では尿路生殖器悪性腫瘍と、生活の質を左右する蓄・排尿障害を中心に手術を行っています。
良性の疾患は内視鏡手術を第一選択肢とし、悪性疾患のうち、腎を摘出する必要のある手術は腹腔鏡手術を行っています。また、昨年より尿管結石等に対する内視鏡手術も開始し積極的に行っております。
耳鼻咽喉科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K3772 口蓋扁桃手術(摘出) 11 1.55 4.91 0.00% 29.18
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手術件数としては、扁桃摘出手術が最も多くなっておりますが、その他、脳梗塞後遺症による嚥下障害で経口接種困難な患者に対しての胃瘻造設や嚥下機能手術、また口腔・咽頭・喉頭などの早期癌に対する経口手術、甲状腺を中心とした頚部手術も件数が増えております。
呼吸器外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K514-23 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術(肺葉切除又は1肺葉を超えるもの) 等 20 2.85 11.45 0.00% 69.85
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主な手術内容は、悪性腫瘍に対応して行う肺の切除です。当院で最も多く行われている胸腔鏡下で行う術式は、身体への負担が少なく、体表の傷が最小限です。患者さん一人ひとりの病状に応じて、最善の治療方法を選択するよう努めています。また、縦隔にできた悪性腫瘍に対する縦隔腫瘍摘出手術も行っています。
血管外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K617-2 大伏在静脈抜去術 26 2 1.038 0.00% 70.23
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最も多い手術は下肢静脈瘤に対するストリッピング術です。逆流している静脈瘤にワイヤーと通して抜去し、同時に小切開を追加し、太い静脈瘤をできるだけ切除する方法です。小切開は数カ所、2センチ程度です。
他に下肢の閉塞性動脈病変に対し、人工血管を移植して血液を末梢へ流すバイパス手術等も行っています。
その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)ファイルをダウンロード
DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一 - -
異なる - -
180010 敗血症 同一 - -
異なる - -
180035 その他の真菌感染症 同一 - -
異なる - -
180040 手術・処置等の合併症 同一 12 0.18%
異なる - -
手術・処置等の合併症は、腎臓内科の治療で、血液維持透析が必要となり、シャント造設を行った患者さんが、術後、動脈硬化が強い場合や静脈が細い場合等、血管の状態により狭窄・閉塞をおこし、血管を拡張する手術を行う為に入院する場合となっています。
また整形外科の手術で、人工股関節や、脊椎固定を行うスクリューを体内へ入れた患者さんが、術後、人工股関節や、スクリューがゆるんでしまった際、再度手術が必要となり、入院する場合です。どちらも、術後の患者さんの状態より発症する疾患です。
更新履歴
2022/10/01 2021年度・病院指標を公開いたしました。