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2024年度

4月

入園進級おめでとうございます

園庭のプランターのチューリップも咲き誇り、陽も長くなって季節が変わっていくことを感じます。新しい年度がスタートしましたね。今年は28名の新入園児を迎えました。どうぞよろしくお願いいたします。また、3月には40名の子どもたちが巣立っていきました。それぞれの小学校で新しい生活のスタートです。一人ひとりの子どもたちが自分らしく輝けることをずっと願っていきたいと思います。
さて、先月は年度末特別保育期間のご協力をありがとうございました。全国の聖隷のこども園・保育園の職員がオンラインでつながり、「聖隷の理念と歴史」について学び、さらに自園では、職員一同が改めてこのひかりの子で大事にしていきたい保育は何か、今まで何が大事にされてきたのか等を話し合うことができました。「困っている人がいたら、自分ができることをしよう」。これが聖隷の理念にもつながりますが、昭和51年にひかりの子保育園が創設されたのもこの思いからでした。時代の変化とともに変わっていくこともありますが、変わらない大切なこともあります。子どもたちはいつも「今」を生きています。大人は良かれと思って「今」を通り越し、先を見ながら「〇〇ができないと困る」「〇〇をさせた方がいいのでは」と目に見えることに囚われすぎてしまうことがあるかもしれません。芽を出したばかりの双葉を「早く大きくなって」とばかりに手で引っ張れば折れてしまうかもしれません。花を咲かせることもできないでしょう。適切な栄養を与え、見守り、時に「きれいな花が咲くといいね」「楽しみだね」と優しく声をかけながら待つのではないでしょうか。無理やり引っ張ったら折れてしまうのは子どもたちも同じです。早く早くと急がせるのではなく、その時々の興味や関心はどこにあるのか、今何をしようとしているのかを知り、一緒に楽しんだり、ゆったりと待つことが必要です。この待ってもらえる時間に、子どもは人生の基盤になるしっかりとした根っこを張っていくのだと思います。礼拝の中で牧師先生がおっしゃっていました。相手を信じているから「待つ」ことができるのだと。そして待った分だけ子どもは育つと。とても考えさせられました。「信じて待つ」ことをとても大事だと私も思っています。実際には待てないことも多々あるのですが、それでも「信じて待つ」ことを忘れないでいたいと思うのです。そしてありのままの姿を受け止められて、このひかりの子で大きくなってほしいと思います。
ありのままを受け止めてもらえる環境は、子どもだけでなく大人にとっても必要であると思っています。新生活が始まって落ち着かないのは子どもだけでなく、保護者の皆様もきっと同じですね。不安なこと、心配なことがありましたらいつでも職員に声をかけてください。ひかりの子で過ごすすべての人が愛に包まれて安心して過ごすことができたらと思っています。どうぞよろしくお願いいたします。

5月

「 そうだ、いいこと考えた! 」                     

新年度が始まり一か月がたちました。先日は大変お忙しい中、各クラスの懇談会にご参加いただきありがとうございました。保護者の皆様もお互いのお顔を見て安心できた部分もあるのではないでしょうか。今後もよろしくお願いいたします。
さて、泣き声よりも笑い声が増えて、新入園児にも笑顔が見られるようになりました。本当に子どもの柔軟な心に感心させられます。そして、初めて関わる私たちにも心を開き、笑顔を見せてくれることに喜びと幸せを感じています。子どもたちから与えられる幸せに感謝して過ごしたいと思います。
先日、2歳児クラスの子どもたちが園庭でダンゴムシを見つけてきた時のことです。砂場用のお皿やカップにとてもたくさんダンゴムシを入れて見せてくれたり、自分の手や腕に乗せて見せてくれたりしました。昨日まで自分では触れなかった子も、今日は触れるようになった!ということを一生懸命アピールしてくれたりもしました。子どもたちの集中力はすごくて、ダンゴムシへの熱意は数日続いていたようでした。この、熱中してじっくり関わることが「学び」そのものだと思います。ひっくりかえってしまったダンゴムシを見て「いっぱい」とつぶやいた子がいました。足がたくさんあるんですよね。「本当だ、足がいっぱいあるね。」と同じものを見て、同じことを感じてくれる大人の関わりが大事になります。幼児クラスの子は、担任と一緒に足を数えてみたそうです。動いてしまうので数えられなかったと残念そうでしたが、とても微笑ましく、そして、興味を広げる出来事だと感じました。2歳児のAちゃんは自分の手にダンゴムシを乗せて、じっくり観察。腕を登ってくるダンゴムシでしたが、ぽとっとテラスの隙間に落ちてしまいました。はっとした表情で、私の顔を見たので「落ちちゃったね、どうしようか」と聞くと、テラスに腹ばいになり、隙間を見つめて「どうしようかな~」と。しばらくして、ダンゴムシが戻らない(見えない)と分かると、起き上がり「そうだ、いいこと考えた!」と言って、園庭の真ん中の方に走っていきます。どうするんだろう、細長いスコップでも持ってくるのかな?と見ていた私ですが、なんと、別のダンゴムシを捕まえてきました。そして満面の笑みで「ほら見て!」と言ってまた腕を這わせていました。なんとも2歳児らしいなとほっこりしました。
子どものこの「そうだ、いいこと考えた!」の発想を大事にしたいなと思うのです。自分で考えて行動してみる。それが生きる力につながるのではないでしょうか。大人が先回りして準備万端にするのではなく、困ったときにはどうしたらいいだろう?ということを子どもと一緒に考えてあげたいですね。つい最近、長靴をはいて帰ろうとしたお子さんをお母さんが玄関で抱き上げたらその子が怒りました。私は「長靴を自分ではきたかったのかな?」と思ったのですが、違いました。長靴をはいたから抱っこではなくて自分で歩きたかったのです。そのことにお母さんはすぐ気づき、「ごめんごめん」とおろしてくれました。子どもの気持ちに敏感でありたいと改めて感じた一場面でした。