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子どもの育ち

 


園内に差し込むやわらかな陽射しが、今年度の残りわずかな時間をそっと包み込んでくれている気がします。進級(入学)を心待ちにしている子どもたち。一つお兄さんお姉さんになる喜びを、それぞれに感じているようです。
 園生活最後の年長児の行事が行われています。2月10日に行われた卒園遠足のおやつは担任が購入し、支援センター「エンジェル」で駄菓子屋さんを開き、50円で買い物をして持っていきました。21日のレストランごっこでは食育で学んできた様々な事を踏まえ、体に必要な栄養(赤・黄・緑・白)が欠けていないか等も考えながら100円でメニューチケットを購入しました。10円は1円が10枚という事が理解できていないわけではありませんが、まだ10円玉と品物毎に描かれている○の数を1対1対比をしながら考えているお子さんがほとんどです。主食、主菜、副菜、汁物、デザート等、10品の中から食べたいメニューを計算しチケットを前日に購入、当日は品物とチケットを交換します。当日は銀行もありますので、おかわりで食べたい物の値段を考えて銀行にお金をもらいに行き、お店で買い物をするというような流れです。10円、20円、30円の品物をどう組み合わせ100円で買い物をするのか?それぞれが考えました。主食、主菜等から1品ずつバランスよく選択する子、10円の押麦スープには栄養が揃っている為、主食のご飯とパン、主菜のケチャップ煮とチキンナゲット等、食べたい物を選ぶ子と様々です。100円を使い切らずに、残りのお金と銀行でいただくお金を合わせて、確実に自分の好きな物を購入するお子さんがいたことには驚かされました。当日は銀行係をやらせていただきましたので、言葉のやりとりを楽しみながら子ども達の考える力に触れ、成長を喜び合う事ができました。子どもの数の概念は、5歳半以降に獲得すると言われています。物の量をたくさん・少しと感じることから始まり、量から数へと分化していきます。日常生活の中には数量にかかわる機会がたくさん埋めこまれていますね。おやつなど身近にあるものを1つずつ数える。10まで数えたら次のお友達と交替する。シール帳やカレンダーで日付を確認するなど様々な体験を通して育まれてきた年長児の姿に感動したのでした。
 18日に行われた今年度最後の懇談会にはたくさんの方が参加して下さり、ありがとうございました。各クラス写真や動画を添えながら、エピソードを踏まえ、この1年の子ども達の成長を伝えさせていただきました。子ども達は様々な経験をする中で、心も体も本当に大きく成長しましたね。お伝えしながら、その時の子ども達の姿が頭に浮かび、クスッと笑い、我が子を褒めてもらっているかのように誰よりも心から大きく頷く担任達の姿に、私達職員も子ども達と共に育ち合えたことが見ている私にも伝わり、大変嬉しく思いました。
 先日、職員と話をした時のことです。「担任をしている子ども達が可愛くてたまらない。離れたくない。」と涙を浮かべながら言うのです。しかしその後に「あんなに可愛い子ども達を一人でも多くの先生に知ってもらいたい。私だけの眼ではなく、また違う眼で見て欲しい。だから私は離れた方がいいと思います。」と。保育者として日々子ども達としっかり向き合ってきた証だと誇りに思いました。今年度まとめの1ヶ月、このメンバーで共に過ごしてこられたことを神さまに感謝しながら過ごし、今まで大切にされてきた子どもに即した保育に準じて、安心してゆるやかに移行できるよう園全体で取り組んで参ります。今年度も保護者の皆様のご理解・ご協力を賜り感謝致します。1年間ありがとうございました。
                                            園長  梶山 美里