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答えはいつも相手(子ども)の中にある

 気温・湿度共にぐんぐん上がり、熱中症のニュースを良く聞くようになりました。戸外遊びはもちろん、室内でもこまめな健康観察や水分補給などを心がけていきたいと思います。木陰の涼しさやウッドデッキの冷たさに気付いたのか、子どもたちが園庭の木陰を上手に利用して遊んでいたり、ウッドデッキにぴったり身体をくっつけていたり…子ども達の気付きや工夫している姿を微笑ましく感じ見守っています。
 こうのとり保育園では2020年度より「互いに支え、高め合うチーム保育を目指して」と題し、“チーム力を高めるためのスキルアップを図り、保育に活かす”ことを目的に全職員で取り組んできました。6月10日には第16回聖隷保育学会がハイブリット形式で開催され17施設が参加し、互いに各園の研究を共有しました。この3年間を振り返ると、新型コロナウイルスと闘い、職員が大きく入れ替わりながらも、日々保育と向き合いながら子ども達と共に過ごしてきました。創立50周年を迎え、多くの愛に支えられていることを知る機会をいただき、不適切保育が騒がれ、よりチームつくりが不可欠と言われている今、この研究を積み重ねてきた意味を皆で考える機会をいただきました。アンガーマネジメント(感情コントロール)の学びから感情表現力にも着目し、職員の意識の変化が子ども達の姿にどう表れてくるかを探り、共感体験を大切にしてきました。年齢に関係なく、子ども同士の共感体験の場面を見ていると、無条件でありのままの姿を丸々受入れ、「痛いね…」「やった~!」とまるで自分がその子と同じ事を味わっているような感情で共感をしていました。私たち保育者が感情表現力を意識してもなかなか子どものようには出来ません。このような子ども達の姿の共有を重ね、子どもたちは私たち大人よりもずっと互いを認め、高め合っていたのだと気付かされました。そして、子ども達は友だちと関わる中で,互いの思いや考えなどを共有し,共通の目的の実現に向けて,考えたり,工夫したり,協力したり…こうした経験が,自己調整力や問題解決に必要な力を高めていることも実感し、協同性が育っていることを嬉しく思いました。研究を通して、子どもの凄さを思い知らされたのです。
 先日、金曜日の15時過ぎにつくし組(0歳児)を覗いた時の出来事です。お昼寝から目覚め、丸めたお布団セットを抱えて和室からよちよちAさんが出てきました。布団セットを置く場所が解っていて、自分の体の半分以上ある布団セットをしっかり両手で抱え、棚の所まで来て、a担任に手渡しました。すると、次はと言わんばかりに、おやつを食べる所へ…「Aちゃん、オムツ替えようか?」とb担任が声を掛けたのですが、何とも納得のいかない表情です。私はおやつを食べます。と言っているかのようにおやつに気持ちが向いているのが解りました。「おやつ食べたいよね。でもその前にオムツ替えよう」と優しく誘うのですが、やはり微妙な表情を見せ、オムツ交換台の方へ行こうとはしません。するとc担任が「もしかして出てないかも!」と。「そうかもね」と担任同士が話し出しました。私は“まさか0歳児が!?”と思っていると、Aさんの近くにいたd担任がサッとオムツを確認しました。「出てないです!!」その報告を聞いて、「ごめんね。そうだったんだね。おやつにしようか。」とb担任が言うと満足した表情で椅子に座ったのでした。
お昼寝中、お昼寝開け直ぐに排尿がある子がほとんどですので、スッキリ気持ちよくなってからおやつを食べさせてあげたいと思い、声を掛け、抱いてオムツ交換台に連れていきがちですが…Aさんの表情や姿を担任一人ひとりが様々な角度から見守り、まだ言葉等では表現できない0歳児のお子さんの姿から読み取り、微笑み合っている担任の姿を大変嬉しく思いました。これからも「答えはいつも相手(子ども)の中にある」という考え方を忘れず、子どもの姿から学ぶことを大切に教育・保育を進めていきたいと思います。
                                      園長  梶山 美里