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あたたかい心

 じりじりと焼けつくようだった夏の日差しが少しずつやわらぎ、過ごしやすくなってきました。夕暮れどきには虫たちの鳴き声が楽しめるようになりましたね。夏から秋への季節の移り変わりを味わいながら過ごしていきたいと思います。
 26日(土)に3年半ぶりにヨセフの会の企画が開催されました。コドモンでもお伝えしましたが「ヨセフの会」はお父様達が子育ての場面で輝ける場となることを目的とし、親子の絆を深めるきっかけを大切にされてきております。今回の企画は、各年齢発達に合わせた水遊び(プール遊び)とスイカ割りでした。親子で楽しむ中で、子ども達だけではなく、お父様達の眩しい輝きが沢山見られました。お子様達との様々な関わりの中で私が一番驚いたのは、「ズボン上げるよ。いい?」「お水を中に入れてもいいですか?」「凄いね~。パパも一緒にやってもいい?」等、子どもの思いや気持ちを確認してから行っていたことです。靴を履く場面でも、「自分でやりたい、でもうまくいかない」そんな子どもの気持ちをしっかり受け止め、見守りながら励まし、出来た時には一緒に喜び、共感する。という心が温かくなるような丁寧にじっくり関わる姿もあり、お父様方の子ども理解、関わりの深さに感心しました。
 子どもが自分から動くまで待つ、あれこれ口を出さないなど、大人が我慢することも大切ですね。大人の社会では、結果を出すためには最小限の手間で最大限のパフォーマンスを発揮することが求められがちですが、子どもはそうした考えとは逆の世界を生きています。水遊びの場面でも沢山見られたように、水をカップに注ぎ入れ、ペットボトルに戻すことを繰り返し続ける等、意味のないと大人が思うことを延々と繰り返したり、わざわざ手間がかかる方法を好んで選んだりします。実は、そこに子どもの学びの種があります。大人には考えもつかないことをしてそこから学んでいく子どもたちは、なんて面白い、すばらしい存在なのだろうといつも感心しながら観ています。
 女性の社会進出が進み、調査によると現在は母親の7割が仕事をもつ状況だそうです。園の様子を見ていても、父親自身も積極的に育児にかかわり、経験を積み、夫婦共に働きながら共に子育てに取り組もうとする意識の高さを感じます。
 乳幼児期の子どもは見たもの、聞いたもの、感じたものをそっくりそのまま吸収する能力を発揮します。ですから、子どもに身に付けて欲しい生活習慣や態度は、お父さん、お母さんが毎日の生活の中で繰り返し心を込めて示していくことによって、自然によい習慣になっていきます。特に、「命を大切にする」「人に迷惑をかけない」「相手の立場を理解し、お互いに思いやる」といった将来育って欲しい「あたたかい心」は、この時期の愛情ある環境の中でしか身に付けることはできないと言われています。思いやりのある行動や会話を見たり、聞いたりしながら、子どもは自然に優しさが育まれていくのです。子どもの権利や生き生きと過ごせる環境をいかに確保するかは、私たち保育者や保護者にかかっています。社会の未来に向け、保育者と保護者、母親と父親が互いに助け合い、子どもがつなぐコミュニティーを維持しながら、共に子どもの育ちを見守っていきたいと考えております。
                                        園長  梶山 美里