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もう1回!

 厳しい寒さの中にも、時折暖かい日差しが感じられるようになってきましたね。今年は、4年に1度の「うるう年」にあたります。暦と実際の太陽の動きの差を調整するために、2月29日が追加される特別な年です。子どもたちにも伝えていければと思います。
 先日はお忙しい中、乳児クラス対象の『あそびのひろば』へご参加いただきありがとうございました。日頃、園で子ども達が楽しんでいる遊びを親子で一緒に楽しんでいただくことができ、大変嬉しく思いました。各クラス共に、今夢中になって楽しんでいる様々な遊びが展開できるよう工夫をし、0歳児は運動遊び、1歳児は指先遊び、2歳児は見立て遊びにスポットをあて、子ども達の姿を踏まえながら掲示をさせていただきました。安心できるお家の方の存在を意識しながらも、まわりの物に自ら手を伸ばし、五感を通して関わっていく姿がたくさん見られましたね。1歳児クラスのままごとコーナーでお父様にお料理を作っているお子さんがいました。チェーンリングを具材に見立て、真剣におたまでお鍋の具材を混ぜています。徐々に気持ちが入り、強く混ぜるので具材が飛び散り、お鍋がカチャカチャ音を立てはじめました。周りでもおままごとをしているお友達もいる中、お父様の表情が曇りだし…私はどうされるのかなと思いながら少し離れたところから見守っていました。するとお父様が穏やかな声で「ママどうやってる?」と声を掛けたのです。するとおたまをゆっくり回し出し、鍋の淵で汁を切りながらそっとお鍋から出したのでした。「そうだね。」とお父様は声を掛け、その後出来上がったお料理を二人で美味しそうに食べ、笑顔で見つめ合う姿に大変感動致しました。子どもの前に立って、「次は何して遊ぶ?」と大人が導いたり、「それはダメ」と制止したりするのは簡単です。しかし『あそびのひろば』での様子を見ていると、お家の方が子どもの後ろに立って、何をしたいのか、どこへ行きたいのか、お子さんの見ている方向を一緒に見て、うまく行くように応援する姿が多く見られ驚きました。子どもが満点の笑顔で発する「もう一回!」も様々な場面で見られましたね。絵本を読み終わると「もう一回!」。小麦粉粘土や指先遊びで、触った感触や触ったことで形が変わる面白さなどを感じ、そばにいる保護者や近くにいる保育者に共感してもらい、「もう1回」と思いを膨らませ、繰り返し楽しむ姿。平均台や梯子渡り、飛び降りをすると「もう一回!」と何回も繰り返す姿が見られました。単調な遊びの繰返しを要求してきた際に、「いつまで続くの?」「そろそろ違う遊びをしたら…」と思ってしまうこともあるのではないでしょうか。何度も同じ遊びをしたがる、この「もう1回!」に応える「応答的な関わり」はとても大切だと言われています。子どもの動きに同調し、同じように真似をすること。例えばお子さんが玩具を手に持って渡してきたら、「ありがとう」と笑顔で受け取る、そして今度はお母さまからお子さんに渡してみる、そしてそれを受け取ったお子さんがまたお母さまに渡す…。子どもの要求に応えて気持ちを受け止め、言葉を代弁し、同じことを満足するまで繰り返すことを「応答的な関わり」と言います。乳児期に特定の大人から応答的な関わりを継続してもらえる経験は、その子の自己肯定の気持ちを育みます。何度か遊んでいるうちに、子どもがその遊びをやめる瞬間があります。その時が、その子の遊びが満足して終われたという瞬間でもあるのです。大好きな大人との応答的な関わりを繰り返すことで、人との関わりや繋がりを学んでいくのです。これからもわくわくしながらお子さんと一緒に遊んでみてください。子どもが見ている方向、見ている風景、見ている高さで一緒に見てみると、私達大人では気づくことができない世界があります。私達保育者も日々子ども達に学ばせてもらっております。私自身、
もっと子どもにならないといけないなと感じた『あそびのひろば』でした。
                                          園長  梶山 美里