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子どもの思いを受け止める

 磐田駅付近の街路に白とピンクのハナミズキが交互に花開き、4月の街路が色鮮やかになり、毎朝の通勤時間は心が和みました。ハナミズキにはイエス・キリストにまつわるエピソードがあり、花言葉の「永続性」「耐久性」は、キリストの忍耐や復活、変わらぬ愛にちなんでつけられ、「逆境に耐える愛」は、成長速度は他の木に比べてゆるやかですが、着実に大きくなり、美しく花を咲かせることに由来すると言われています。また、さまざまな逆境を乗り越え復活したイエス様が、人々に永遠の愛を説いたことが由来という説もあるそうです。
 4月は新入園児だけではなく、在園児のお子さんも(職員も)新しい環境の中で出会い、安心して過ごすことができるように、一人ひとりの思いを受け止め、丁寧に関わる中で心と言葉を掛けながら信頼関係を深めていけるように願い、過ごしてきました。今年度は転園されてきたお子さんが数名いらっしゃいます。前園での様子を伺い、スムーズに移行できるように一人ひとり考慮させていただきながら過ごしております。前園の先生が様子を見に来て下さった時のことです。まだ慣れないお部屋で過ごすには不安があり、大好きな絵本コーナーで絵本を見ていたAさん。絵本に夢中でなかなか先生の存在に気が付きませんでした。ふと顔を上げ、先生に気が付くと、「うわぁ~○○先生」と何とも言えない優しい声で言いながら先生の頬を両手で包み込み、鼻と鼻が触れ合う程顔を近づけ、目と目を合わせて喜んだのです。安心できる大好きな先生が今ここにいることを全身で感じていました。しっかりとした深い信頼関係を感じると共に、こうのとり保育園でも安心して過ごせるように関わっていきたいと強く思いました。新しい環境が不安で泣き叫ぶお子さんの思いを受け止め、その子の思いや願いとは何なのかを理解することは容易なことではありません。その子の思いを心と身体で受け止め、あの手この手で探りながら関わっています。その子の見ている世界を探る中で、少しずつ何が好きなのかが見えてきます。歌や電車等、好きな物がヒットすると涙が止まる瞬間が増え、そこから担当保育者に抱っこされるのが少しずつ心地よく好きになり、その子が落ち着いて遊べる環境を用意すると、保育者から少しずつ離れて遊び始めます。少しずつ信頼関係が生まれ、心の安全基地ができ、そこから世界を広げていくのです。これから思いが受け止められることを重ね、やりたいことが満たされる中で、安心感が生まれ、自分に自信をもって世界を広げ、挑戦にも繋がっていくことを願っております。職員の関わりを見ていると、「おしっこ出たね。おむつ替えてもいい?」「お鼻かんでも(拭いても)いいですか?」「そろそろお部屋に入りませんか?」等「あなたはどうしたい?」を聞いています。丁寧に子ども達一人ひとりの話を聞き、伝えたいことを整理することや、共感して思いに寄り添う言葉掛けを私達保育者は心掛けています。子どもの思いを理解するために、毎日の関わりの中で、いつもの様子を熟知する担任同士が連携をし、共有していくことも大切にしております。職員会議では子ども達の様子をドキュメンテーションを基に共有します。4月は「はじめまして」「だいじょうぶ」「よろしくね」「春の自然に癒されて」「おまめくんたちと一緒に過ごした4月」等と題し、子どもの中に4月の一ヶ月の主題が物語る姿を伝え合いました。子どもも大人も、神さまに愛されていることを覚え、心穏やかに歩み進められることを願い、保護者の皆様と共に子育てをしていきたいと思っております。 
                                            園長 梶山 美里