寒さの中にも少しずつ春のぬくもりを感じられるようになりました。この一年で心も体も大きく成長した子どもたちの姿に、胸がいっぱいになります。残りわずかな日々を、一人ひとりの笑顔とともに大切に過ごしていきたいと思います。
先日、卒園遠足に出掛け、竹島が見える広場でおやつを食べている時のことです。竹島ガイドさんがいらして「トンビに気を付けてくださいね」と教えて下さいました。そのうちに高い向こうの山よりトンビが一羽高い空を周回し始め、2羽、3羽と増えていき、トンビが遠くからお菓子を狙っていることに気付きました。子どもたちはお菓子を必死に隠して食べながらも、一気に好奇心が膨らみ、「どうしてトンビはお菓子が見えるの?」という疑問が浮かび上がりました。私自身も「どうしてトンビは遠くからお菓子を見つけられるのか?」が大変気になりました。園に帰り、このエピソードを3,4歳児にも伝え共有し、「トンビのことでわかったことがあったら教えてね」と投げ掛けました。3歳児がすぐに、「トンビってどんな鳥なの?見たことないから教えて。」と確認にきました。トンビの写真を見ると「わかった!」と嬉しそうにクラスに戻っていきました。早速、先生たちは一緒に探究できる環境を準備し、子どもたちが自分なりの答えを出せるようにサポートしていました。「園にある鳥の図鑑にはトンビは載ってなかったの」「先生とタブレットで見たらわかったよ」などと、どんな場所に生息するのか、そして食べ物を探して飛んでいるということや虫や小魚が好きなこと、視力がとても優れていることを嬉しそうに教えてくれました。こうして、自然や動物たちの凄さを実感しながら、身近なものからどんどん学びが広がっていくのです。このように、「どうして?」という問いかけから始まる学びは、子どもたちにとって自然な興味を引き出し、深い探究へと繋がっていきます。子どもたちは、ただ答えを求めるだけでなく、周りの世界や動物たち、自然の仕組みについて積極的に考え、学んでいきます。今回のトンビのお話を通じて、子どもたちは自然界における生き物たちの能力や、私たちが普段意識しない自然の仕組みについても学ぶことができました。懇談会でもお伝えしましたが、私たち保育者は、子どもたちが自分で考え、気づき、疑問を解決する力を育むために、問いかけを意識した保育を大切にしています。子どもたちが出す「?」に対しては、単に答えを教えるのではなく、その背後にある世界に触れるきっかけを与えたり、子ども同士で意見を交換する場を作ったりしてきました。子どもたちは自分の周りの世界を探求する楽しさを感じ、成長とともに思考力や表現力が豊かになりました。絵本や図鑑を見たり、友達と考えを伝え合ったりしながら「どうして?」という問いに答えを出していったことは、子どもたちにとって大きな自信に繋がったことと思います。この一年、子どもたちは「どうして?」「なぜ?」を通じて、思考を深めたり、観察力を高めたりする力を育んできました。そして、その中で「もっと知りたい!」という好奇心を持ち続け、みんなで意見を出し合うことで、協力して考える力も育まれました。
保護者の皆様、今年度も一年間温かく見守っていただき、ありがとうございました。お子さまたちの成長を日々感じながら、私たち保育者もたくさんの学びを得ることができました。来年度も引き続き、子どもたちと一緒に新しい「?」に出会い、学びを深めていきたいと思います。
園長 梶山 美里


