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~安心できる場所~

園長 大塚麻紀子
 あっという間に1年の振り返りの時となり、春の訪れとともに、子どもたちの成長をふと感じる瞬間が増えてきました。遊びや興味の変化、友達との関係性の深まりなど、子どもたち一人ひとりのいろいろな育ちに目を向けながら過ごしていきたいと思います。
 さて、2月の懇談会や書面にて報告をさせていただきましたが、こうのとり東では、新年度を迎えるにあたり、3月に保育室の移行を試みることとなりました。アンケートでは突然の報告に驚きや不安のご意見もいただきましたが、それ以上に賛同のご意見を頂けましたことは、予想外に嬉しいことでもありました。園の新生活は進級や成長など本来嬉しい意味合いが大きいはずですが、子どもたちにとって環境の変化はやはり大きな不安を感じるものでもあります。その中で、よく知っているもの(こと)が自分のそばにあることは、何よりも心が安定し安心感が得られる手掛かりとなります。今回の移行でも、大好きな現在の担任、大好きな玩具や遊びや友達、場所は変わってもいつもと同じ生活リズムで大きな変化を避けること等々を手掛かりとして、段階的な変化を安心して受け入れ、また新しい世界への一歩を踏み出すきっかけを自分のペースで見つけやすくなることを願っています。また、卒園していく5歳児の子どもたちにとっては大事な充実期を存分に味わって過ごすことと、その子なりの園生活を締めくくれることの保障も優先事項としています。この一年間で、5歳児は自分たちでいろいろ考えて工夫をするともっと楽しくなる、実現した手応えから次への意欲や自信が育つ、という経験を何度も繰り返してきました。ですから、今回の機会は子どもたちにとって「おもしろい、やってみたい」を最大限に味わうきっかけになるのではという期待が大きいのです。さっそく2月末より、ホールに自分たちの場所づくりがスタート。いつ話をして準備をしたのかと驚くほど、あっという間に大きな秘密基地のような空間が現れました。完成したのかな?とよく見ていると、途中修正をしている子もいるし、遊びながらも自分なりの居心地のいい空間を探っている、物の場所が変わっているなど、まだまだ発展中のようです。それでも材料集めやアイデア出しの相談など、それぞれが役割を発揮し、友達と共通のイメージをカタチにしようと進めていく様子に、これまでの経験が生きているのだなぁと感じました。
 こども園の存在価値の一つに、誰にとっても安心できる場所であることが挙げられます。そのことを大切に考え、どの子にとっても自分らしく新しい環境・生活を受け入れられるように、進級や進学という新たな一歩を踏み出せることを願っています。また、あわただしくなりがちな年度末ですが、ゆっくりじっくりを心掛けて充実した日々をを過ごせるように保育をしていきたいです。どうぞよろしくお願いいたします。
 最後になりましたが、保護者の皆様には今回の移行についてや、一年間の園運営にご理解ご協力を頂きましたこと、心から感謝申し上げます。ありがとうございました。