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ホーム  > 園長コラム  > ~ゆるやかな環境~

~ゆるやかな環境~

園長 平野春江
 ゴールデンウイークのこどもの日は、ご家庭においてお子様のご成長をお祝いされたことと思います。園でも
天気の良い日には、こいのぼり探しの散歩に出掛けていました。乳児クラスの園児だけで散歩に出かけるのは、
この時期行動範囲が限られるのですが、異年齢で 4 歳児や5歳児のお兄さんお姉さんが小さい子の手を引いて
歩行速度を小さい子に合わせてあげながら一緒に歩いてくれる微笑ましい姿も見られました。園では、集団生活
においても日常的に兄弟的な関わりが自然と行われるように異年齢での交流も大切にしております。4月の新入
園児のお子様も、少しずつ保育者や園での生活に慣れ始めて保育者が抱っこしていても安心して身を委ねる姿が
見られるようになりました。新入園児の保護者の皆様、職場復帰前の貴重な時間の中、慣らし保育のご協力あり
がとうございました。また、特別保育期間には、玩具の整理や室内外の環境整備の時間に充てることができまし
た。家庭保育のご協力ありがとうございました。
さて、先にも述べましたように特別保育期間に各年齢の成長・発達に応じた玩具の整理や環境構成の再構築を
行いました。乳幼児期の子どもは、環境に働きかけ、遊びという形で、何度でも同じ行為を繰り返すことによっ
て、環境の性質を理解し、環境に合わせて能力を獲得します。そのため、保育環境を整えることは保育者の重要
な役割となります。様々な素材、形、用途の遊具・道具で遊ぶことで、五感を通して得た情報は記憶され、思考
の材料として蓄積されていきます。また、「やってみたい」「どうなっているのだろう」等と子ども自らの興味・
関心を基に考え、選択し、行動(遊ぶ)することは主体性を促し、自分を表現することへと繋がっていきます。
そして、時間も環境の一つです。時間設定もゆるやかに捉えています。例えば、給食もクラス全員が一斉に食事
をするのではなく、時間に幅を持たせてゆるやかにすることで、子どもを急がせたり、無駄に待たせたりしなく
てもよくなります。保育者も子どもの行動(支度など)をゆったりと待つことができます。その結果、子ども同
士がお互いに助け合い、力を貸し合う行動にも促されていきます。私は、時間を見つけては各年齢の保育室内を
回り、子ども達の生活や遊んでいる様子を見にいくようにしています。時には、ビデオで撮影することもありま
す。担任が子どもの姿や行動をよく観察し、話し合いをしながら柔軟に環境を変えていきますが、環境を少し変
えただけでもこどもの姿として変化が現れます。見通しをもって生活できるようになったり集中して遊ぶように
なったりします。一人ひとりの園児が自分のペースで生活し遊ぶことができることは、その園児にとっての安心
に繋がり、クラス全体としても落ち着いた雰囲気となっていきます。4 月の職員会では、各クラスの生活や遊び
のビデオを視聴し合い共有しました。保育の連続性を大切にするためです。日々成長し続ける子どもたちの
『今』を見つめながら子どもの育ちと尊厳を保障することのできる教育・保育環境を検討し続けてまいりたいと
思います。今月は、クラス懇談会も予定しております。生活や遊びの様子は写真やビデオ等も用いながらお伝え
させていただきますので、是非、ご参加下さい。