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『 人と人との大切な触れ合い 』

                                       園長 岡田 尚久

秋も深まり、緑だった木々の葉も黄や赤といった色とりどりの姿に変わってきています。
初夏に植えたお米の苗もすくすくと大きくなり、先月末に年長児がお米の収穫をしました。
自分たちで植えた苗が大きくなり、収穫をしておむすびにしていただく。こんなに嬉しく、こんなに幸せなことはありません。おいしい新米を笑顔で頬張る子どもたちの顔がとても印象的でした。収穫日は年長児のみが新米をいただきましたが、今月の収穫感謝祭の日には全園児が獲れたお米を食べる予定です。
お米ができるまで力を貸してくださった地域の方々、秋の素晴らしい恵みをくださった神様に感謝をしたいと思います。
さて、先月末よりコロナ感染者が県内でも再び増え始め気が気でない方もいらっしゃるかと思います。本当に1日も早く終息することを祈るばかりです。これから様々な感染症が流行る時期ですので、体調管理に気をつけましょう。
今日のコロナ感染症の対策の核は、人と人との関わりを極力減らし、接触をなくすというものです。先日テレビを見ていると、様々な企業がいかに接触を減らして生活できるか、新たな機械を開発したり、新システムを導入したりするものを目にしました。テレビで見た内容の一つに某回転寿司店が出ていました。入店したらすぐにタッチパネルで人数を入力します。しかも、そのタッチパネルは画面に触れずに指を近づけるとセンサーが働いて入力ができるというものでした。続いて人数が確定すると天井についたパネルに席番号が表示され、矢印で席までの案内をしてくれます。食事中はもちろん、会計も店員と接触せずに自動精算機を使ってのシステムでした。
 確かに感染を回避するためには人との接触を減らすことが必要です。しかし、人とのコミュニケーションをとらずにいるとどのようなことが起こるでしょうか。人と人との関わりがない中で成長していった子どもたちはどのような大人になるでしょうか。私たち人間はコミュニケーションはもちろん、皮膚と皮膚とが触れ合うことは必要不可欠と言われています。皮膚から刺激を受けることが、心と体の健康に影響していて、特に皮膚と皮膚の触れ合い(アタッチメント)は“あたたかさ・やさしさ”を実感すると言われています。心理的な安心と同時に身体的な安定へとつながっていきます。このまま触れ合いがない中で育つと、コミュニケーション能力が不足したり、アタッチメント不足で心身が不健康になってしまうことも予想されます。子どもたちの健全な心身の成長を保証するために、触れ合うことは何よりも大切なことだと思います。
園で子どもたちの様子を見ていると、大好きな人や安心する人を求めて、抱きしめてもらいたい・抱っこしてもらいたいという欲求が強いように感じます。子どもたちの欲求を満たすためにも、私たち保育者も感染対策をしながら、より多くの関わりをもちたいと考えています。
この御時世だからこそ、乳幼児期のアタッチメントがいかに大切か、人と人とが触れ合うことがどれだけ大切であるかということを今一度考えて子どもと関わりたいものです。一番密接に触れ合えるのは家族です。お子さんをたくさん抱きしめて、たくさん触れ合ってあげてほしいと思います。
先程も載せましたが、私たち保育者も感染症対策をとりながら、この時を大切に子どもと温かい気持ちで触れ合っていきたいと思います。