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~まなざし~

園長  平野 春江
今月は、乳児保育について触れたいと思います。小さな子どもは、育児をしてくれる身近にいる家族のことを常に目で追っています。家族の後を追いかけて、家族がそばにいることで安心し、様々なものを手にして遊び、経験していきます。そのうちに、気配が感じられれば安心し、しだいに大人との関係だけでなく、仲間にも関心をもつようになっていきます。そのような乳児期の特性を踏まえ、当園では園児一人ひとりの生活全般のお世話をする担当を決めています。保育園部のお子様は、保護者の就労時間に応じて保育時間を設定しており、登園時間も様々です。ご家庭の生活リズムによって起床や朝食時間がある程度決まってきます。そのようなお子様をお預かりしている中で、一人ひとりの生活リズムに応じた園生活での日課を組み立てて流れる日課の中で、排泄や食事、着脱などの生活面の援助を可能な範囲で担当の保育教諭が行います。同じ人が、同じように関わってくれることで、子どもは、先を読み取り、安心して任せ、自分の行為に向かうことができます。子どもは、自分の発達を把握し、それに見合った援助をし、励まし、成功を一緒に喜んでくれる人を信頼します。この信頼は、人間や環境に対する基本的な信頼感となると同時に、ありのままの自分を理解し、受け入れてもらえることで、「自分は愛されるに値する存在である」と感じられるようになると考えます。先にも、述べましたように、子どもは、信頼感が育まれた担当保育教諭のことをよく見ています。先日、たんぽぽ組(1歳児)の保育の様子をビデオで撮影していた時のことです。保育教諭が給食の準備の為に、エプロンと三角巾を着用し始めました。その際、遊んでいた二人の園児が遊びの手を止めて、その保育教諭の姿をじっと見始めました。撮影していた私は、保育教諭が担当している園児がどのお子様なのかは分からなかったのですが、『きっと、この二人を担当しているのだろう』ということがお子様の真剣な表情から読み取れました。そして、いよいよ担当の保育教諭がエプロンの着用を完了すると、二人が主体的に水道の場所に行き、手を洗おうとしました。やはり私の予想は的中しました。信頼感が育まれた大人(ご家庭においては養育者であり、園においては担当保育教諭)のことを子どもは、本当によく見ています。大人が子どものことを見ているようでいて実は、大人が子どもをみる時間よりも子どもが大人を見る時間のほうが多いのではないかと思いました。だからこそ、身近にいる大人は、愛情溢れるまなざしを向け、モデルとなる振る舞いをすることが大切であると感じました。そして、安心基地があることで少しずつ、周りにいる大人や仲間にも関心をもつようになります。先日、毎日のように園に遊びに来て下さり、園児と触れ合ったり、園の環境整備をして下さる地域の方(子どもたちは村松じーじと呼んでいます。)が、たんぽぽ組の園児と触れ合っていた時のこと、Aさんが、ぽっとん落としで遊んでいたのですが、うまく入らずに苦戦していました。そこで、村松さんが、黙ってやり方の見本を示してくれました。Aさんは、その様子をじっと眺め、その後、同じようにやり始めました。そして、ぽっとん落としに玩具が上手に入りました。Aさんは、村松さんの顔を見て喜びを分かち合っていました。こども園は、職員だけではなく地域や保護者の方々に支えられております。6月の花の日にも、園児のご祖父母様が花束作りを手伝って下さりました。子どもたちは沢山の大人の方々の愛を感じながら園で安心して過ごすことが出来ております。心より感謝申し上げます。