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~自由な気持ちを尊重しながら~

園長  平野 春江
 教育は、子どもの探求を支える比較的自由な環境を用意するのであり、それによって子どもは、自律的で有能で生き生きとした大人になっていくとされる。すなわち、子どもは、まわりの世界を探求することで最もよく学ぶ。自分の興味を自分のペースで追及できる機会が決定的に重要だ、とエリク・H・エリクソン(発達心理学者)は、述べています。知的とは何より考えることであると思っています。子どもの自発性や自由な気持ちを尊重しながら、実は、環境として様々な意図を含めつつ整えていき、子どもが自分の力で大人の援助のもとに探索して、環境にある素材の意義を発見していくとすれば、そこには豊かな知的が生まれ、幼児教育があると考えます。そして、子ども同士が大人を交えつつ、共同して遊んだり活動することで学ぶことのほうが多いものです。互いの思いつきや意見から刺激されてそれらをどう自分の中にまとめていくかに、知的な働きがあります。このような考えのもと、子どもの姿を見守り、対話をしながら環境や関わりを考えています。ちゅうりっぷ組(3歳児)の子どもたちは、なりきって遊ぶのが大好きです。子どもたちの遊ぶ様子からヒントを得て、担任が全身運動のできる網くぐりを用意しました。日頃から親しんで読んでいる絵本『へんしんトンネル』に見立てて遊びに誘いかけると喜んで集まってきました。「私は、うさぎになる!」と言って、すばやい動きでくぐったり「僕は、ロボットになる!」と言って、手足をロボットのように動かしてくぐったりと、その表現力には驚かされます。運動遊びを楽しみながら行っています。すみれ組(4歳児)の子どもたちは、『100かいだてのいえ』の絵本が大好きで繰り返し読み聞かせを行っています。絵本の挿絵も食い入るように見る姿があります。その様子から担任が、挿絵の一部を部屋に飾ってあげることにしました。すると子どもたちの方から「100かいだて全部を飾りたい!」との声があがり、部屋いっぱいに100だてのいえが並びました。子ども同士で、「こっちが先だよ…次はこの絵」等と意見を出し合いながら絵本通りに並べていきました。ひまわり組(5歳児)の子どもたちは、廃材を使って制作遊びをするのが大好きです。3人の子どもたちが、自分たちのおばけを作ろうということになり、担任がその想いを表現するために必要な材料を用意したり、一緒に考えたりしながら作り始めました。すると、そのわくわくが徐々に他の子どもたちにも伝わり、最後はクラスみんなでおばけ屋敷ごっこを開いて、小さい組の友達を招待するまでに至りました。今月は、おひさまと一緒にGO!GO!があります。『100かいだてのいえ』をテーマに物語の世界観の中で楽しんでいきます。当日まで、子どもの様子を見守り、子ども同士や子どもと保育者で対話をしながら思いを表現し、形にしていきます。仲間と力を合わせながら、一人ひとりが安心して表現することができるように支えていきたいと思います。1階ホールに『100かいだてのいえ』コーナーを設けました。遊びの様子を紹介したり、絵本を展示しますので、親子でお楽しみ下さい。