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~子どもの意志を尊重するためには~

園長  平野 春江 
  先日、 5歳児の子ども達が地域の方やボランティア(保護者)の方々と共に田植え体験をしました。田植え予定日の前2週間で、4歳児・5歳児が田んぼにて泥んこ遊びも行いました。担任が『泥んこ遊びの興味や楽しみ方ってきっと、一人ひとりのペースがあるよね。』と想定し、4,5歳児の担任が互いに見合いながら、2週間程度でやりたい子から進めていきました。想定した通り、子ども達の泥んこ遊びへの入り方は様々でした。初日、「やらない。違う遊びをする。」と興味を示さない子どもや「入らないけど田んぼの側で見てみる。」とまずは様子を伺う子ども、初日から全身泥だらけで顔の見分けがつかないくらいになる子ども等です。担任も一人ひとりの想いを受けとめながら一緒になって思いっきり楽しんでいきました。その日のクラスのミーティングでは泥んこ遊びをした子どもに、どんな様子であったかを話してもらいます。「初めは、ちょっと気持ち悪かったけど面白かったよ。カエルとカニがいたよ。」「田んぼで寝転んで気持ち良かったよ。」等と自分が体験して感じたことを友達に教えてあげるのです。様子を聞いた未体験の子どもは、「じゃあ、明日は入る!」と興味を示し、徐々に泥んこ遊びをする子ども達が増えていきました。カエルが苦手なお子様もそれを上回る楽しさがあり繰り返し楽しむ姿もありました。このように活動期間に幅を持たせ計画に余白を設けることで、子ども自身が自分の意思で主体的に参加することができます。一つの活動がいつ終わるかも子ども達の興味次第で変更していきます。遊びの展開は子どもと保育者、時には保護者の方も一緒に話をしながら作り上げていきたいと考えます。その為、ドキュメンテーションで遊びの過程を紹介しています。是非とも毎日、目を通して頂けると幸いです。さて、私も2日目に泥んこ遊びを体験しました。全身泥まみれの4歳児のAくんが「園長先生、この中に(泥の中)こうやってやると(足を思いっきり泥の中に入れる)豚の鳴き声がするよ。この中に豚がいるんだよ。」と教えてくれました。なんて素敵な発想でしょう。たしかに、豚の鳴き声に似ています。センス・オブ・ワンダー(レシチェル・カーソン生物学者1907-1964)という本の中で~子どもといっしょに自然を探索するということは、まわりにあるすべてのものに対するあなた自身の感受性に磨きをかけるということです~とあります。まさに、子どもの発想に自分自身のしばらく使われていなかった感覚の回路が開かれました。梅雨に入る前のこの時期は、自然を感じる絶好の機会です。家の周りをお子様と一緒に散歩するだけで十分です。歩調を合わせてお子様の目線の先を共に見つめながらゆっくりと自然の生き物や草花を楽しんで頂けたらと思います。