園長 平野 春江
当園は、放課後児童クラブ“オリーブ”を運営しています。平日(学校がある日)は、30名程の小学生が放課後に利用し、長期休み(春季、夏季、冬季)になると40名程の小学生が利用しています。こども園の中にある放課後児童クラブの良さは、在園児(0~5歳児)との交流が日常的に行えるということです。乳児の保育室に出向いて、あやしたり遊んであげたり生活のお世話をしたりと微笑ましい姿が見られます。様子を見ておりますと、お姉さんお兄さんとして小さい子と優しい表情で関わってくれています。保育者の「ありがとう」との感謝の言葉を受けて満たされた笑顔も返してくれます。そして何よりお世話をしてあげているようでいて実は、小さい子から沢山の愛をもらっているのがわかります。双方向の育ち合いが生まれています。幼児の子ども達との交流も盛んに行われています。先日もホールで、ひまわり組(5歳児)がドッチボールをしていると小学生の男児数名が仲間に加わってきました。ひまわり組と小学生の混合チームで対戦したり、ひまわり組(15名ほど)VS小学生(5名程)で対戦したりと白熱した戦いが繰り広げられていました。ドッチボールが大好きなひまわり組は毎日のように遊んでいく中で職員が審判をしなくても子ども達だけで遊べるようになってきています。ドッチボールはルールを守って遊ぶ方が面白いということが分かってきているようです。それでも、ボールを当てられて「当たってない」「当たった」と言い争う姿もありますが、子ども同士で解決できると信じて見守っています。そのような時にも小学生が優しく間に入って解決へと導くこともありました。また、給食時間ぎりぎりまで楽しんでいましたので、他のクラスの職員が給食のワゴンで横を通ろうとすると、小学生が気付いて「みんな止まって!給食のワゴンが通るよ!ボールが当たると危ないから!」と皆に声を掛けて試合を一時中断する姿も見られました。自分達の行動を自ら律する小学生の姿に頼もしさを感じました。小学生とひまわり組では実力に差が出るのは当然であり、ドッチボールの勝敗も小学生が有利のはずですが、小学生も年齢差や能力差のあるひまわり組(5歳児)と同等に互いが楽しめる為の工夫をしていました。小学生の考えや工夫や配慮に対してひまわり組の子ども達が気付いているのかはわかりませんが、白黒はっきりと勝敗をつけるドッチボールの楽しみ方だけではなく状況に応じて『どうやったら皆が楽しめるのか』に視点をおいた柔和な集団遊びも日常的な異年齢交流を通して伝承されていくことでしょう。