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~ 子ども達の目線で~

園長 大塚麻紀子
6月17日(土)は、れんげぐみ・ちゅうりっぷぐみの保護者参加による、園内美化活動・プール設置等にご協力いただきありがとうございました。おかげさまで各クラス順次水遊びを始めることができ、嬉しそうに水着紹介をしてくれる子もいました。こまめな水分補給と健康観察を心がけて、夏の水遊びを楽しんでいきたいと思います。
ある朝の出来事。園庭に行くとひまわりぐみの男の子数名が砂遊び用のお皿に一尾の魚をのせ、それを囲むように丸くなって集まっていました。その魚はすでに死んでいたのですが、非日常の光景に何があったの?と驚く私に、「あのね、えんていにおちてたの」と一人の子が説明してくれました。いきさつを知っている職員も、園庭の総合遊具の周りの青いところに落ちていて、それを子どもが発見し、不思議な事件の原因や魚の種類について考えていたと、こっそり教えてくれました。また途中で、大人の何気ないつぶやき(鳥が咥えて飛んでたところを落としたかもしれないね)を聞いていたため、子どもたちが簡単に納得しそうになってしまったけど、すぐに子どもの世界に大人の意見が介入しすぎてはまずい!と「でも(違う意見を言っていた)S君の意見もあるかもしれないね」と撤回して修整!!無事に子どもたちが感じている不思議な世界を守れたところで、今もこうして相談が続いている・・・とのことでした。そうこうしているうちに、図鑑で調べようと絵本コーナーへ取りに行き、再び戻ってきて会議は継続。ふと見ると5歳児の輪の中に、4歳児A君が1名加わっていたので、まだまだ面白いことが起こりそうだと私も観察を続けました。5歳児メンバーは同じページを見ながら活発な意見交換・・・。一方A君はじっと聞いているようでしたが、展開の速さについていけない様子。すると、そーっと手を伸ばし図鑑を自分の方に引き寄せその場を離れようとするのです。すぐに5歳児は「あ~、Aくん、だめだめ、いっしょにみるんだよ」と言って、奪い返すでもなく元の相談場所へ図鑑とともにA君も移動。その後、魚が乗っていたお皿でも同じ行為が繰り返されたため、私はついつい笑ってしまったのですが、そのスマートなやり取りと、2回目もA君は怒らなかったことにも驚きました。日頃から大人が同じような対応をすると、彼は自分の思いを制止されたと受け止め、抵抗する姿を目にしていたからです。ですが、今回見たかかわりは、5歳児メンバーは同じ目的を一緒に考え合う仲間として認めていたし、A君は自分の思いを尊重されていると感じられたのでしょうね。その後もしばらく相談は続きました・・・。
園生活では、試行錯誤したりじっくりと夢中に取り組む子どもの時間・考えを大切にしていくことで、主体的・対話的で深い学びの経験を保障し、豊かな感性を育むことにつながるということを心掛けています。子どもの目線と合わせて彼らの様子を観察していると、視線や動作、息遣いから、気付きにくい心や思考の動きを感じます。今年度も各クラス順次始まっている保育参加では、保護者の皆さんにも子どもたちの目線で気づく、子どもの世界を感じていただきたいなと思っています。ぜひご参加ください。