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「一人ひとりを大切にした保育を目指して」

園長 高木 智美

 園内に広がる草花が青々と色づき、連日の蒸し暑さが夏の近いことを感じさせる季節となりました。先日のプール開きではそれぞれのクラスが子どもたちと祈りの時を持ち水遊びをスタートすることができました。水の心地よさを感じ開放感あふれる子どもたちの声が園一杯に聞こえてきます。水に対する気持ちは個人差が大きいですから、無理をせず、一人ひとりの様子に応じながら今年の夏も、子どもたちが健康で事故のないよう安心して遊びを楽しめるよう配慮していきたいと思います。また、保護者の皆様には毎日の体調管理、水遊びの準備等よろしくお願いいたします。
 先月行われた「花の日」では、花の持ち寄りにご協力いただきありがとうございました。「花を園に持っていく。」と、わくわくした様子のお子さんも多かったことと思います。子どもたちと一緒に、持ち寄った花を幼児クラスではオアシスに生けホールいっぱいに飾りました。大輪に咲く花もあれば人知れずそっと道端に咲いている花もあるけれど、花を見た人は綺麗だと思ったり、嬉しい気持ちになったり、幸せな気持ちになる。色、形、香りそれぞれ違うけれど、花は私たちみんなの心を和ませてくれます。そんな花のように、子どもたち一人ひとりもかけがえのない存在であり、神様や周りにいるたくさんの方から愛されている事に感謝の心を持って、花のように周りの人を和ませられるそんな子どもたちに育ってもらいたいと願い、子どもたちと礼拝を守りました。
礼拝後、地域のお世話になっている方のところへ、幼児それぞれのクラスが訪問へ出かけました。5歳児クラスの子どもたちは、園医さん、市役所、牧師様のところへ伺いました。手作りのカードと一緒に、心を込めて生けたアレンジメントの花を渡す子どもの中から「いつも見ていてくれてありがとう」という感謝の言葉に「ありがとう」とお言葉を返していただき、子どもたちも嬉しそうでした。
 さて先日聖隷こども園・保育園の研究を発表し合う「聖隷保育学会」が開催されました。豊田では「一人ひとりを大切にした保育を目指して~豊田の保育を振り返って~」というタイトルでの研究発表を行いました。研究内容を保護者の皆様に少し紹介させていただきますね。
 私たちの根幹となる保育・教育理念を職員が再確認することから始まり、子どもたちの育ちを大切にしたい思いから職員が皆で同じ方向を向いて保育できるよう、子ども一人ひとりを尊重し子どもが主体性を発揮して生活をおくる環境を整える必要があると考え研究を進めることにした。乳児は「ゆるやかな育児担当制保育」、幼児は「子どもの主体性を大切にした保育」をテーマに子どもの姿から環境を考えた。方法として、子どもの姿より育ちの共有、保育者の思い、保育計画などの細やかな話し合いを持つこと、「5分ミーティング」と称し毎日話し合う時間を設けることを続けた。とある文献に『保育士間の協働』とは、「クラスのなかで各保育士が他の保育士の行動を把握し、助け合う。」とある。子どもの育ちを保証する上で保育者の「連携・共有」は欠かせない。子どもの姿の中で感動した事、子ども達が今何に興味があるのか等、話し合いの中でも目の前にいる子どもの今ある姿に着目しながら話をしている。保育者同士、保育観を共有する機会ともなり「子どもの今ある姿」に目を向け、保育をする上で大切にしたい思いが担任間で統一され、日々の保育に必要な保育者間の「連携・共有」に繋がっている。また子どもたちの育とうとしている気持ちや行動に対するタイミングの見極めは保育を進める中でも難しいのだが、自分で考えて行動する事が出来るようになるよう一度待ってみる(見守る)ことで相手のやってみようとする気持ちや、時間をかけて成し遂げようとする気持ちに寄り添いながら職員の保育が変わっていった。今回の研究を通して、保育者間の「連携・共有」が「一人ひとりを大切にした保育」へと繋がった。
 今回の研究を通し、5分ミーティングを通した語り合いにより保育者はいつも子どもの姿を敏感に受け止め、好きな遊び、場所、友だちに出会う乳幼児期の子どもたちが安心して、一歩ずつ歩み出せる環境の支えとなる存在でありたいと思います。子どもたちの未来に繋がる、それら一つひとつの過程に愛情を持って丁寧に関わって参りたいと思います。