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温かい雰囲気のもとで

園長 平野春江
青葉若葉の輝きに満ち、心躍る季節となりました。連休の期間中に、家庭訪問・個人面談を行わせていただき、お子様の様子等を共有することが出来ました。今年度も保護者の皆様と共にお子様の健やかなご成長を見守り、御支援してまいりたいと思います。連休の合間にお時間を作って頂きありがとうございました。
 さて、毎年、地域の「ふれあいクラブ本郷」の手仕事クラブの皆様が、園児に布草履を作って下さいます。幼児(3,4,5歳児)の子ども達は、夏の間中、上靴ではなく、この布草履を履いて過ごします。汗を吸収し、裸足に近い状態のため、涼しくて気持ちが良いのです。今年度も4月中旬に幼児の仲間入りをしたひつじ組(3歳児)の子ども達の為に、大小様々、色とりどりの布草履を箱いっぱいに持って園を訪れて下さいました。ひつじ組の子ども達が『自分だけの一足』を選ぶ機会が与えられました。手仕事クラブの皆様は優しく園児を出迎えて下さり「いろいろな色があるよ。手に取って履いてみてね。」「履かせてあげようか。どれがいいかな。」等、一人ひとりに丁寧に対応して下さいました。布草履を選ぶ時の子ども達の表情は、きらきらと輝いており心躍る様子が表れておりました。きっと、うさぎ組(2歳児)の時に、幼児のお兄さん、お姉さんが履いている姿を目にしており、憧れを抱いていたのでしょう。待ちに待った『自分だけの一足』なのです。一目見てすぐに決める子もいれば、じっくりと眺めて、一つに決められず悩む子もいました。その子その子に合わせて、じっくりと待って下さったり、「この色なんか綺麗だよ。」等と勧めて下さったりと手仕事クラブの皆様の温もりを感じました。ひつじ組で新調した布草履は、4歳、5歳と年を重ねて履きならしていきます。成長と共に足も大きくなり、きりん組(5歳児)の数名の園児が、自分の布草履が小さくなったので、新しい物を選びにきました。目の前に並べられた新しい綺麗な布草履を選びながらも、5歳児のAさんは、「小さくなったけど、この草履も気に入ってたんだよなぁ…」と呟きました。夏の間中、布草履を履きならし、きっと愛着も湧いていたのでしょう。そう呟きながら大事に胸に抱えていました。そのような子どもの姿を受け、手仕事クラブの方も「ありがとうね…。大事に使ってくれたんだね。」とAさんに声を掛けて下さいました。今回の園児との交流は、時間にすると、30分程度のことでしたが、世代を超えた交流がありました。手仕事クラブの皆様は、小さな子ども達を前にして、低くかがみ込み、子ども達一人ひとりが選んだ布草履の鼻緒を履きやすいように広げ優しく足をとり、あてて下さいました。聖隷こども園こうのとり豊田の子ども達は、地域の皆様に愛され支えられていることを肌で感じました。
 乳幼児期は、心身の発達が人生の中で最も著しい時です。子どもを見守る大人たちや、子どもを取り巻く環境が、その後の成長に大きな影響を及ぼします。保護者・保育者・地域の方々の子どもへの愛情ある関わりとそこから生じる温かい雰囲気のもとで、園での保育及び教育がなされることを大切にして歩んでまいりたいと思います。

~こうのとり豊田保育・教育理念より~  愛されて、愛する心を知り、お互いが大切な存在であることを知る。