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「子供の育つ力を信じる」

園長 平野春江
 「天の神様、スーパーてるてるを作りました。どうか晴れにして下さい。」
長雨にとじこめられた日々、なんとか青空の下に脱出できないものかと子ども達は、てるてるぼうずを製作し、(5歳児の子ども達は、『スーパーてるてる』と呼んでいます!)晴れ間を待っておりました。子ども達の願いが届き、本格的にプール遊びが叶うことを願います。全身を使って思う存分楽しんでいきたいと思います。
 さて、7月17日・18日と2日間かけて5歳児(きりん組)のお泊り保育が行われました。初めて保護者の方と離れて友達や保育者と寝食を共にする体験をしました。お泊り保育を通して、仲間との絆をより一層深め、互いに尊重し、思いやりやいたわりの気持ちを持ちながら助け合うこと、身の周りの事を自分や仲間と行う事で自立心や達成感を養うこと、そして家族と離れることでより家族の大切さを知ることをねらいとしております。園でお泊り保育を行う為、全てのクラス担任が、2日間の工程の中で部分的にでも参加し、きりん組の子ども達との交わりを持つことが出来ます。加えて他園に異動した職員も応援に来てくれました。どの職員も現在は、きりん組の担任ではありませんが、早番や遅番等で関わったり小さい頃に担任をしていたりと、子ども達の事を愛おしく感じております。子ども達が思い出に残る素敵なお泊り保育になるようにとの思いで、バックヤードから関わらせて頂きました。子ども達の喜びの表情が見られる度に、その後ろでは、満面の笑みを浮かべた職員の姿がありました。そして、担任の想いとして今年度のお泊り保育のねらいの中でも特に大切にしたのが、身の周りの事を自分や仲間と行う事で、子ども達に達成感を養い、一人ひとりの自信に繋げることでした。身の回りの事、食事の準備や片付け、お風呂の身支度、布団の上げ下げ等一人では難しい事もグループの仲間と力を合わせてやり遂げるよう見守りました。グループのひとりが身支度が遅れていると「大丈夫だよ」と仲間が優しく声を掛け、手伝ってあげたり、待ってあげる姿も見られました。2日目の朝食準備を、私がAグループの子ども達と担当した際には、子どもの持っている育つ力に驚かされました。子ども達には最初に、「ホールで朝ごはんが食べられるように準備して下さい。お願いします。」とだけ伝えました。すると、数概念の得意なAくんが、「机には4人ずつ座るから、えーっと、えーっと…全部で10個机が欲しい」と言うと、「わかった!」と皆が一斉に動き出し、2人1組で保育室から机を運び出す作業が始まりました。机が揃うと「今度は、椅子!」とBさんが言い、重い椅子を3個も積み重ね真っ赤な顔をして次々に運び出します。同時に、Cさんは、折り畳んであるランチョンマットを各机に置いていきます。それを追いかける様にしてDくんが、ランチョンマットを机に綺麗に広げていきます。広げたところからEさんが、ヨーグルトを置いていきます。FさんもGさんも配膳を手伝います。手の空いた子は、必要な物が確実に配膳されているか確認して回り、足りない物があると挙手をして「ここ、スプーンがないよ」等と配膳係に知らせます…という風に、子ども達は、今までの給食準備での経験を基に朝食準備のイメージをして、全てを自分や仲間と考えて私が依頼したように朝食が食べられるように整える事が出来ました。全てが綺麗に配膳され、皆に「朝食の用意が出来ました」と伝える時の表情は、自分達でやり遂げた達成感で誇らしげな表情をしていました。このように様々な場面で、力を合わせて取り組む子ども達の姿が見られました。入園してから毎日を共に過ごし子ども同士の信頼関係が築かれているからこそ、周りの状況を見ながら、一人ひとりが自分の出来ることを精一杯取り組むことが出来るのではないかと思います。そのことを子どもから学びました。キリスト教保育では、子どもの存在を中心に置き、子どもと共に保育を創りだすことを大切にしています。子どもから学んだ事を保育者が返していく…日々この繰り返しです。