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繋がる

園長 平野春江

 「ここ、道が細くなっているから気を付けて!」
 「大丈夫だよ!頑張れ!」
 「もう少しだよ!」
 きりん組(5歳児)の子ども達の優しさ溢れることばです。9月16日、17日にきりん組のお泊り保育が行われました。1日目には、磐田市の獅子が鼻トレッキングコースの山登りを体験しました。細い山道や岩を上り下りするコースで幼児にとっては、なかなかの難所コースです。山登りの達人であるガイドの方も6名付き添って下さり、1列に並んでグループ単位で登っていきました。途中、細い道や崖などがあると、自分の後に続く仲間に「道が細くなっているから気を付けて!」と自然と声を掛ける心づかいが見られたり、岩を上る際に怖がって前に進めない仲間がいると「大丈夫だよ!ほら、おいで」と自分の手を差し出して勇気が出るように力づけたりする姿も見られました。怖がっていた子も保育者の手を借りることなく仲間の声援に助けられ自分の力で前に進むことが出来ました。仲間同士で励まし合ったり助け合ったり、それによって自分の力で前に進む姿等が数多く見られ、一緒に山登りした保育者は何度も熱いものが込み上げてきました。自分の力で登り、見晴らしの良い場所に立って緑鮮やかな山々を見渡した際には、心が洗われるようで何とも言えない心地よさを感じました。子ども達の晴れやかな笑顔がとても印象的でした。下山後、ガイドの方の差し入れで冷たいポッキンアイスを頂きました。山登りの後のポッキンアイスは格別に美味しかったようです。「美味しいね。美味しいね。ガイドさんありがとう。」と子ども達自ら感謝の気持ちを伝える姿も見られました。帰園後も山登りのグループ単位で行動することを大切にしました。山登りという同じ目的に向かって共に力を合わせて達成したことにより絆は更に深まり、子ども同士の会話や振る舞い一つひとつに相手を思いやる気持ちが感じられました。就寝前、お子様には内緒でご用意して頂きました『ご家族からの手紙』を保育者が一人ひとりに読んで聞かせました。初めてご家族と離れてお泊りする瞬間だからこそ一層ご家族からのメッセージが心に届き、何度も読みかえしたり、嬉しそうに友達に見せたり、ご家族の温もりを思い出して涙を流したりする姿が見られました。その日は、手紙を枕元に置いて眠りにつきました。
 お泊り保育は通常の保育とは少し違い、非日常的な活動や生活をする場でもあります。行程の中に子ども達にとっての『はじめて』も沢山ありました。それでも子ども達はその時々の状況に応じた行動を自分で考えて動くことが出来ていました。これは、日常の生活や遊びの中で主体性を尊重し『自分で考えて行動する』ということを積み重ねてきたからだと思います。乳児期からの主体性を大切にし、一人ひとりの成長・発達に応じた丁寧な援助を行い、幼児期では乳児期の保育の連続性をベースとして『自分で考えて行動する』機会を多く設けてきました。これらの積み重ねが学びに向かう姿勢や態度を育む力へと繋がっていると感じます。『一を聞いて十を知る』ということわざの通り、お泊り保育での子ども達には感心するばかりでした。
 最後に9月の讃美歌の歌詞をご紹介致します。
 しゅイェスはまことのぶどうのき わたしは つながるこえだです あふれるいのちをいただいて わたしは おおきくそだちます♪
 しゅイェスはまことのぶどうのき わたしは つながるこえだです しっかりしゅイェスにつながって わたしもゆたかにみをむすぶ♪(9月の讃美歌 しゅイェスはまことのぶどうのき1,3番)
 大自然に身を置いて子ども達の優しさ溢れる言葉や行いを見る中にイエス様との繋がりを感じることができました。祈りで始まり感謝の祈りで終えた1泊2日のお泊り保育でした。