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子どもの可能性

園長 平野春江

 新年あけましておめでとうございます。初日の出はご覧頂けましたでしょうか。私は、家の近くの鮫島海岸で初日の出を見ました。綺麗に輝く日の出を見ることができ穏やかな朝を迎えることができました。
 さて、12月10日(土)のクリスマス祝会は、感染防止対策を図りながら無事に開催することができました。保護者の皆様の御協力に感謝申し上げます。ぱんだ組(4歳児)、きりん組(5歳児)合同で演じるページェント(降誕劇)は、沢山のセリフやナレーターの言葉、讃美歌等で構成されています。セリフやナレーターの言葉は全て、きりん組の子ども達が覚えて表現します。ぱんだ組の子ども達は、讃美歌を一緒に歌ったり役になりきって表現したりハンドベルを演奏したりしながら、きりん組と共に心を合わせて創り上げていきます。沢山のセリフやナレーターの言葉を表現するきりん組のお兄さんお姉さんに憧れを抱きながら…。祝会終了後も暦の上でのクリスマスまでは、ページェントを楽しんでいきました。室内外問わず、ページェントの讃美歌の歌声が聴こえていました。ある日、ぱんだ組の女の子四人が園庭でページェントごっこを楽しんでいましたので、私も仲間に加わりました。どの子も一人で二役、三役と演じています。それも最初にどの役をやるのかを決めるのではなく、ページェントを進めながら互いの表情を見て暗黙の了解ごとく役を演じていました。言葉に出さなくても相手の様子を見ながら思いを理解して互いに了承しているといった状態でした。信頼関係が出来ている故の行動です。そして、驚いたことに讃美歌だけではなく、きりん組が表現していたセリフやナレーターの言葉まで、ほぼ全て覚えているのです。私は天使や羊の役を演じましたが、その際、天使のセリフが言えずに詰まってしまうと、一緒に演じているぱんだ組の女の子が、さりげなく私の側に寄り添い耳元でそっとセリフを囁いてくれました。この姿は、きりん組の子ども達がページェントを進める中で、セリフがまだ覚えられていなかったり体調不良等で休んでいたりした子が自分の役のセリフが上手く出てこなかった際に、仲間を助けたいという強い思いから自然と表れた姿です。その姿をぱんだ組の子ども達も側で見ていました。ページェントは、保育者がセリフや立ち振る舞い等を一から十まで教えて創り上げていくものではありません。ぱんだ組(4歳児)、きりん組(5歳児)の異年齢の子ども達が演じる過程でぱんだ組は、きりん組の姿に憧れを抱きながら讃美歌を歌ったり表現したりすることを楽しみ、きりん組は、年長児としての自覚を持ち、クリスマスの出来事を保護者や地域の方々に伝えたいという思いで進めていきます。子ども達自身が保育者と共に創り上げていくものなのです。ぱんだ組の女の子達のページェントごっこの姿を通して、セリフやナレーターの言葉等と共に、きりん組が残してくれた『優しさ』もしっかりとぱんだ組に引き継がれていることが分かり成長を感じました。
 子ども達は、大人にできないことができる可能性を秘めています。体験を通して何かを知ることで、居ても立ってもいられなくなる行動力を持っているのです。『子ども達が没頭する、熱中する時間をつくる』ことが、本当に子ども達に必要な教育であると考えております。保育者は、子ども達の可能性に敬意を持ち、尊重することを大切にしております。その上で一人ひとりへの関りを考え、必要な環境を整え、保育者も子どもと共に楽しんでおります。そのときの子どもの内面の反応についても『きっとこうに違いない』等と決めつけるのではなく、ただ、子ども達が感動し、面白がっている、その事実に謙虚でありたいと思っております。『子どもって面白いな』と思い続けることが、子どもの教育を支える保育者の役割だと考えます。保護者の皆様とも『子どもって面白いな』を沢山共有していきたいと思います。ご家庭で子どもの可能性に感動し、『子どもって面白いな』と思ったエピソードを是非、お聞かせ下さい。2023年も豊かな神様の恵みを感じながら、職員一同心を込めて教育・保育を行ってまいります。どうぞよろしくお願い致します。