グローバルナビゲーションへ

本文へ

ローカルナビゲーションへ

フッターへ



ホーム  > 園長コラム  > 遊びの時間の保障

遊びの時間の保障

園長 平野春江                                   
 先ごろ、寒波の影響で冷え込む日が続いていますね。雪の降った日には、子ども達は園庭に飛び出し歓喜の声を上げていました。雪が降ったのは、ほんの僅かな時間でしたが五感を使って全身で雪を感じているようでした。そのような中、保護者会役員の方々のご協力を頂きながら、1週間かけて『バザー』を開催する事が出来ましたこと感謝申し上げます。夕涼み会を経験していることで子ども達は、待っていれば自分のクラスの番が回ってくるという事が理解出来ており、その日を楽しみに待つ姿がありました。買い物中も保護者の方が側で寄り添い、お子様が自分で考えられるような言葉掛けや見守りをして下さり温かな時間が流れておりました。夕涼み会とバザーの経験を基に今度は、きりん組(5歳児)が小さいクラスの友達の為にお店屋さんを開く予定で準備を進めています。お店屋さんごっこの様子はドキュメンテーションでお伝え致します。
 さて、今年度も終盤に差し掛かりました。4月から信頼関係を築きながら子どもの育ちを見守ってきた保育者は、一人ひとりの成長を日々感じております。事務所では、職員同士が子どものエピソードを喜びの表情で語り合う光景をよく目にします。私も仕事をしながら職員の話に耳を傾け、喜びのお裾分けを頂いております。そしてAさん、Bさん、Cさんの成長を私も見たいと思い保育の様子を見に行ったりします。先日、ひよこ組(0歳児)の午前のおやつの時間帯に見に行きました。おやつを食べている子どもと室内遊びをしている子ども、双方が安定して過ごしていました。秋頃までは、おやつを食べている友達の姿が見えると、遊んでいる子どもは自分も食べたくて全身でアピールをしていましたが、日課の積み重ねの中で食べる順番が分かるようになり、見通しを持って遊んで過ごすことが出来るようになりました。絵本コーナーで座っているとAくんが絵本を持って私の膝の上に座りました。『読んで』と伝えているようです。絵本の中で、星の絵が登場したので、クリスマスの時期にひよこ組でもよく歌っていた讃美歌♪お星がひかる♪をAくんの耳に届く声で歌いました。『あ!この曲聴いたことがある』とAくんの表情が語ってくれました。歌い終わると星を指さし『もう1回歌って!』とアピールしてきました。その言葉にならない声に応えて私が「もう1回?」と聞くと、大きく頷きます。歌っている時、Aくんの表情は見えないのですが、神経を集中して歌を聞いていることが後ろ姿からもよく分かりました。そのうちに、♪お星がひかるぴかぴか♪「~か」と私の歌に合わせて語尾を一緒に歌うようになり、歌い終わると「もっかい(もう1回)」と言葉で伝えるようになり、0歳児のAくんがこの繰り返しのやりとりの中で、どんどん吸収していくのが分かりました。最終的にAくんの可愛い「もっかい(もう1回)」のリクエストに応えて16回歌いました。16回聴いた後、満足したように次の遊びに移っていきました。Aくんの姿を通して、以前、大学の講師の先生がおっしゃっていた言葉を思い出しました。『遊びというのは、遊びを決める時間と遊び込む時間と遊び終えを調整する時間が必要なのです。その為、十分な時間の確保が必要です。』という言葉です。この事は、どの年齢にとっても大切です。特に印象的だったのが『遊び終えを調整する時間』です。この時間を確保する為に必要なのが生活の見通しです。保育者の指示(号令)で遊びが始まり、保育者の指示で遊び終えが決まるのではなく、子どもが主体的に遊び終えの調整に入る環境が必要です。0歳児であっても担当の保育者が給食の準備の為、エプロンや三角巾を身に着けると『あ!給食だ。』と分かって遊び終えの調整に入っていくのです。それが、幼児になると時計と照らし合わせながら『まだ遊びたい』という自分の気持ちに折り合いをつけ自己コントロールしながら、決められた時間内に給食が食べられるようになっていくのです。遊びに必要な時間は一人ひとり違います。また、同じ子どもでも、その日その時々で違います。一人ひとりが、遊びに満足できる(達成感)十分な時間と幅を保障する為、今後も考えてまいりたいと思います。今月は、懇談会が開催されます。ビデオや写真を用いてお子様の1年間の成長を園と保護者の皆様で共有したいと思います。どうぞよろしくお願い致します。