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愛されて育つ

園長 平野春江
 2023年度の教育・保育の歩みが始まりました。お子様のご入園ご進級おめでとうございます。21名の新入園児を新たに迎え156名(4月1日現在)の園児が新年度を迎えました。在園児の保護者の皆様には、年度末特別保育にご協力頂き感謝申し上げます。ご協力により、新年度に繋がる学びや話し合い等の準備を十分に行うことが出来ました。学びの中で『愛されて育つ』と題して同朋大学 専任講師 神谷良恵氏による講演を聞く機会が与えられました。当園の教育・保育理念にも繋がる大変興味深い内容でしたので抜粋してお伝えします。こども園は、子どもにとっては生きる場所であるという言葉から始まりました。当園の指針となる幼保連携型認定こども園教育保育要領第1章総則に『幼保連携型認定こども園は、子どもの最善の利益を考慮しつつ、その生活を保障し、保護者と共に園児を心身ともに健やかに育成するものとする』と明記されています。生きる場所(生活の場)であるこども園での『子どもの望む環境』とは何であるのか。①そばにいると安心できる人がいる。②好きな物を選んで遊べる。③たくさん遊ぶ時間がある。④ほっとできる場所がある。このような環境を可能な限り保障できる保育方法のひとつとしてハンガリー発祥である流れる日課や担当制保育等を紹介して頂きました。当園でも4年程前より流れる日課やゆるやかな育児担当制という保育方法を取り入れています。流れる日課とは、乳幼児期に必要な生活や遊びのための時間を十分に保障しつつも、集団生活の中で一人ひとりの発達や行為・行動のテンポを大切にできるように考え出されたものです。育児担当制は子どもの生活全般を同じ保育者が丁寧に関わることで、子どもの発達を把握し、それに見合った援助をし、応答的な関わりを通じて情緒的な絆が形成されていきます。幼児においても流れる日課で、生活や遊びを通して自分で考えて選んだり決めたりする機会を多く経験します。神谷氏が講演の中で、子どもが必要としていることは何かと子どもの側に立って考えることの大切さを繰り返し述べられました。園の2号3号認定(保育園枠)のお子様は、10時間程度をこども園で過ごします。大人は、一般的に8時間労働で休憩も確保されています。園の子ども達の0~3歳児は2時間程度のお昼寝はありますが、それ以外の時間は活動しています。4,5歳児に関しては、お昼寝の時間もありません。長い時間を園で過ごす子ども達が、急かされることなく自分のペースで自分のやりたいことを選択することは、当然の権利です。時には、柔らかなソファーで寝転びたい…、何もしたくない…という選択肢もあるかもしれません。一人ひとりがこども園での毎日を自分の意志を大切にしながら生活していくことで、子どもにとっての生きる場となり居場所となっていくと考えます。子どもの望む環境を保育者は子どもの姿から捉え、考え続けることも愛のひとつの形です。とりわけ新入園児にとって入園するということは、いちばん大切な人(ご家族)と離れ、見たこともない場所・物・音・におい、そして人たちに囲まれることを意味します。そのため、約2週間かけて慣らし保育を行います。はじめは、ご家族の方と一緒に遊び、給食を食べ、新しい保育室のどこで何ができるのか、どこに何があるのかを知っていきます。そうして、ご家族と離れる時間を少しずつ延ばしていきます。慣らし保育期間に、まずは特定の保育者との信頼関係を築いていきます。一人ひとりのお子様が安心して自分を表現できるよう環境を整え丁寧に関わっていきたいと思います。
 新年度を迎えるにあたり、職員で礼拝をまもった際の神様からの御言葉(聖句)を最後にご紹介します。
いつも喜んでいなさい。絶えず祈りなさい。どんなことにも感謝しなさい。これこそ、キリスト・イエスにおいて神があなたがたに望んでおられることです。(テサロニケの信徒への手紙5:16~18)
 2023年度も保護者の皆様と共にお子様の成長過程に携わることが出来ますこと感謝致します。どうぞよろしくお願い致します。