グローバルナビゲーションへ

本文へ

ローカルナビゲーションへ

フッターへ



ホーム  > 園長コラム  > 「 感動を分かち合う 」

「 感動を分かち合う 」

園長 平野春江
 ナンキンハゼの木の側で、子どもたちが何やら顔をつき合わせています。
この写真は、5月24日に撮影されたものです。園庭ではよく見かける光景です。
近づいてみますと…今回はカエルでした。手にのせてみたり、恐る恐る触ってみたりとじーっと観察をする子どもたちです。当園の園庭には、子どもたちが自然を身近に感じることができるように木や草花や芝生などを植栽しております。四季を通して小さな生き物(虫や小鳥など)に出会うことが出来ます。暑い夏には、大きなケヤキの木が木陰を作ってくれます。時間帯によっては、ちょうど砂場のあたりが木陰となり、座り込んでじっくりと砂遊びをしている子どもたちの体を涼めてくれます。日向と日陰では体感温度がかなり違います。
私もしばらく砂場で遊んでいる子どもたちの側で様子を観察していました。日陰の涼しさが心地よく感じられ、そして上からは小鳥のさえずりが耳に届きました。見上げるとケヤキの木に数羽の小鳥が止まっているのが見えました。外から見ているだけでは見過ごしていた美しさに目が開かれたような感覚を覚えました。
 暑い日には、子どもたちは涼を求めて自然と水遊びが始まります。水と土がある環境の中で次第に泥んこ遊びへと発展していきます。そのため、この時期には子どもが『やりたい』と思った時にいつでも泥んこ遊びが出来るように、汚れても良い服装で登園して頂くようにお願いしています。遊びがダイナミックな幼児の子どもたちは泥の感触を全身で感じながら歓声を挙げて楽しむ姿が見られます。子どもと共にいる職員も子どもの世界に引き込まれるように泥まみれになりながら楽しさを分かち合っています。
子どもと一緒に自然を探索するということは、まわりにあるすべてのものに対する自分自身
の感受性にみがきをかけることだと思っております。それは、しばらく使っていなかった感覚の回路をひらき、目、耳、鼻などの使い方をもういちど子どもと共に学び直すことだと思います。わたしたちの多くは、まわりの世界のほとんどを視覚を通して認識しています。しかし、目にしていながら、本当には見ていないことも多いのです。そのことを子どもが教えてくれます。
 これから、梅雨の時期に入ります。暑さも増していく中で戸外遊びの工夫が求められます。ご家庭においても同様だと思います。雨上がりの涼しい時間帯などに家の周辺をお散歩すると、新たな発見や出会いがあるかもしれません。是非、親子で「センス・オブ・ワンダー=神秘さや不思議さに目を見はる感性」を感じて頂けたらと思います。
*生まれつきそなわっている子どもの「センス・オブ・ワンダー」をいつも新鮮にたもちつづけるためには、わたしたちが住んでいる世界のよろこび、感激、神秘などを子どもといっしょに再発見し、感動を分かち合ってくれる大人が、すくなくともひとり、そばにいる必要があります。*(レイチェル・カーソン著 センス・オブ・ワンダーより)
 いつも子どものそばにいるご家族や保育者がそのひとりでありたいと願います。