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「 微笑み(ほほえみ) 」

園長 平野春江
 8月は『祈り合う』が幼児クラスの月の主題でした。終戦記念日を迎える8月は平和を祈る時としています。広島や長崎の原爆に関する絵本やお話を通して戦争の恐ろしさについて知る時とします。今年度は、78年前の磐田市の鮫島海岸に終戦を告げる日本降伏文書を載せた緑十字機がエンジン切れで不時着し、鮫島住民が救助活動をしたという紙芝居(作成者から寄贈)を見ました。(8/16にSBSでその様子が放映されました)あらためて日常の生活を営むことのできる平和に感謝する時となりました。
 さて、新型コロナウイルス感染症が5類になり、少しずつコロナ禍以前の日常に戻りつつある中で、今年度の夕涼み会も夕涼み週間として年齢ごとに1週間かけて開催しました。昨年度、感染防止対策(3密防止)として企画した夕涼み週間でしたが、感染防止対策としての効果だけではなく、子どもの育ちにとって年齢ごとゆったりと開催することの良さが見られましたので、今年度も夕涼み週間として継続し、今後の行事の在り方について考える機会としました。新型コロナウイルス感染症が5類となり保護者会役員の皆様と共に昨年度よりも出店数を増やし、更に祭り気分を味わえるようにしました。夕涼み週間として開催するにあたり園として大切にしたことは、子ども自身が主体的に会を楽しむということです。子ども自身が主体的に動き出すためには、安心できる環境で保護者や保育者の温かなまなざしや微笑みの中、子どもの力を信じて待つ時間がたっぷりとあり、一人ひとりのペースに応じた対応が保障されていることです。子どもにとって行事は特別な出来事です。特別でありながら日常の保育の延長線上にあり、年齢に応じた形で見通しを持って当日を楽しみに迎えることが大切です。親心としては我が子にも以前のような盛大な夕涼み会を経験させてあげたいと願う保護者の方もいらっしゃるかもしれません。しかし子どもにとって行事の価値は、規模の大きさだけではなく子どもが主役として自分らしく楽しむことだと思います。夕涼み週間でのお子様の姿を通して、そのことを感じられた保護者の方も多くいらっしゃったことと思います。10円玉10枚を自分の財布に入れて駄菓子屋さんやゲームコーナー、くじ引き屋さん等に向かう姿は、晴れ晴れとして喜びに満ち溢れていました。お子様が見本の10円玉3枚の上に自分の本物のお金を1枚1枚丁寧においていく姿を保護者の方が微笑みを浮かべて見守っていたのが印象的でした。保護者会のゲームコーナーでは、何度も挑戦したい園児に対して「すごいね。いっぱい取ってもいいよ。」と思いを尊重して下さる役員の方のご対応により、とても満足した表情でゲームを終える園児の姿も見られました。保護者の皆様からのアンケートでも『とても楽しかったようで、毎日夕涼み週間の話をしてくれます。』『とても楽しみにしていてあと何日だぁと言っていました。』『とても楽しみにして夕涼み会の時に頭に付ける為の飾りまで作っていました。全力で楽しんでいました。』等の様子もお伝え下さいました。夕涼み週間は月曜日から始まり0、1歳児 火曜日2歳児・・・と順番に開催していきましたので最終日の5歳児の子どもたちの期待値は上昇し、迎えた当日は保護者の方や友達と一緒に嬉々として主体的に楽しむ姿が見られました。そして久しぶりに兄弟や卒園児の小学生も参加してくれる姿もありました。夕涼み会では、小学生の分までご用意することが出来なかったのですが、1月開催予定のバザー週間では、小学生も視野に入れて準備を進めていきたいと考えています。卒園児や兄弟の小学生が自然と園に足を運んでくれることは大変喜ばしいことであります。送迎時に挨拶や会話を交わしたり、学童の小学生が乳児のクラスに入って小さい子のお世話をしたり遊んであげたりしている時、沢山の微笑みを届けてくれています。微笑みを向けられた乳児は自然と微笑みを浮かべています。素敵な微笑み返しです。
最後にマザーテレサの言葉をご紹介します。
平和は微笑みから始まります。誰かに微笑みかけること、それは愛の表現であり、その人への素晴らしい贈り物となるのです。