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「 声援を力にして 」

園長 平野春江
10月28日に開催されましたパワフルフェスタは、天候にも恵まれ幼児クラスの子どもたち、保護者の皆様、職員、地域の4方々(自治会長・ふれあいクラブ)、兵藤牧師、昨年度まで共に働いていた保育者と共に『ノアの箱舟』をテーマに物語の世界の中で楽しい時間を共有することが出来ましたこと心より感謝申し上げます。ひつじ組(3歳児)にとっては初めてであり、きりん組(5歳児)にとっては最後のパワフルフェスタとなりました。初めてパワフルフェスタにご参加頂いた方の中には、競技中にBGM(音楽)が流れていなかったことに違和感を覚えた方もいたのではないでしょうか。日本の運動会と言えば、競技中に『天国と地獄』等のBGMが賑やかに流れているイメージがあると思います。当園では、数年前より競技中にBGMを流していません。理由をご説明するには日頃の教育・保育の様子からお伝えさせて頂きます。一人ひとりを大切にする具体的な保育方法として5年程前より乳児クラス(0,1,2歳児)のゆるやかな育児担当制保育を始めました。その子どもたちが幼児クラス(3,4,5歳児)になった頃より、生活や遊びの中で、子どもが自分で考えて行動する(決める)機会がより多く持てるように一斉保育(全員で一斉に同じ活動をする)からコーナー保育(知育遊び・見立て遊び・製作遊び・構成遊び等の中から自分で興味・関心がある遊びを選択する)に切り替えていきました。日課にも幅を持たせ、一人ひとりが見通しを持ちながら自分で生活を組み立てることができるように保育者は援助していきました。そのような園生活の中で、子どもたちの主体的な姿がたくさん見られるようになりました。それに伴い保育者からのクラス全体への声掛け(指示)も少なくなり、その結果クラス全体としてもゆったりとした雰囲気に変化していきました。当園が参考にした育児担当制保育はハンガリー発祥と言われていますが、幼児教育先進国といわれているフィンランドやイギリスやニュージーランド等も『子どもを年齢で見るのではなく発達で見る』という視点から出発しており保育室には様々な遊びのコーナーが設置されています。子どもたちがだれと遊ぶか、一緒に過ごすかは、年齢で決まるわけではなく共通の関心、能力が近い、性格的に共感する…等様々であるという考えがあります。日本の幼児教育と言えば、「協調性」を重視した教育方法が特徴であり、 集団の中で「どう考えるか」「どう表現するか」を学ぶための環境が整えられてきました。先に説明した一斉保育(全員で一斉に同じ活動をする)等です。当園が幼児教育先進国等の教育・保育を参考にしながら、コーナー保育を進めていく中で、今まで一斉保育では当たり前として行ってきた環境構成や援助等で不要と思えることが出てきました。例えば園内行事(七夕など)の際に、ホールに幼児の子どもたち(99名)が集まってマイクを使って司会の保育者が話しはじめると、一人や二人ではなく数名の子どもたちが耳を塞ぐ行為をしました。決してマイクの音量が大きかったわけではなく日頃、保育者から掛けられる言葉がクラス全体ではなく個人、もしくは数名に対して行われることの多くなった子どもたちにとってマイクから流れる機械音が不快に感じたのだと思います。今では、園児と職員だけの室内行事の時には、肉声のみで行っています。パワフルフェスタも日頃の教育・保育の延長線上にあり、保育方法の変化に伴い競技内容や環境構成等も子どもの姿に応じて対応していきました。競技中のBGMもその一つです。子どもたちは競技や遊びを進めていく中で、仲間のことを応援する声が自然とあがります。子どもたちの優しさに心がふるえることもたびたびあります。競技中のBGMにかき消されることなく保護者の皆様にも子どもたちの応援する声や競技中の息づかいや表情…等全てを見て、感じて頂きたいという思いがあります。そして何よりも保護者の皆様の応援がお子様へと届き、力の源となるのです。ご家族からの温かな応援を受けて子どもたちの笑顔がキラキラ輝いていましたのが印象的でした。このような経験一つひとつがお子様の自信へと繋がっていくと思います。今後も保護者の皆様と共にお子様のご成長を見守っていきたいと思います。