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「 遊んで学ぶ 」

園長 平野春江
『人生に必要な知恵はすべて幼稚園の砂場で学んだ』これは、米国の作家ロバート・フルガム氏の言葉です。著書の中には以下の言葉も綴られています。~人間、どう生きるか、どのようにふるまい、どんな気持ちで日々を送ればいいか、本当に知っていなくてはならないことを、わたしは全部残らず幼稚園で教わった。人生の知恵は大学院という山のてっぺんにあるのではなく、日曜学校の砂場に埋まっていたのである~
当園が幼児教育として大切にしているのが遊びです。遊びこむ環境の中、子ども達には「目標に向かう姿」「粘り強さ」「仲間との協力」等の非認知スキルである「学びに向かい続ける力」が培われます。遊びには「学びに向かい続ける力」を伸ばす場面がたくさんあります。12月1日現在、0歳児18名、1歳児24名、2歳児28名、3・4・5歳児各33名の園児が在籍しています。同年齢児が集団生活を送る中、園児一人ひとりが主体的に遊びこめる環境と時間を整えるため、保育者は子どもの遊ぶ様子を観察しながら教育・保育の内容や環境を考えています。1歳児のクラスは流れる日課(一人ひとりの生活リズムを大切にしたもの)の中で室内では、小グループでの遊びの場を整えています。先日、担任が「園長先生、見て下さい!」と声を掛けてくれました。
 数名の子ども達が一人ひとつ大型積木(柔らかい素材)を両手に抱えバランスを取りながら斜面を登り、高い所から積木を積み上げています。一人が終わったら次の子がその上に、順番を守りながら背の高さ以上に積み上げていきます。途中、倒れてはまた初めからやり直すことを繰り返し、積み上げる際の力加減等も学んでいるのが分かります。自分の大型積木が上手くのった時には担任の顔を見て『出来たよ』と共感を求めていました。
 3歳児では外遊びから少人数ずつ室内に入ります。日課として手洗い、水分補給、出席カードのシール貼りを終えてから好きな室内遊びを始めます。冬場はジャンパーをハンガーに掛けるという支度も加わります。3歳児にとっては難儀なことですが少人数ずつ室内に入るため、担任は一人ひとりに丁寧に見守りができます.
Aさんはジャンパーにハンガーを通して、真剣にボタン掛けを行います。全てを終えると他の上着もハンガーにかけるとの意思表示をしました。「こっちの上着も掛けたいの?」と担任が確認すると嬉しそうに頷きます。そこで担任は、先ほど掛けたハンガーをそっと外して用意するとAさんは再び真剣にボタン掛けを始めました。子どもにとっては、生活の中にも遊びの要素がたくさん含まれています。何事も、やらされている感が
あっては、やる気がでません。自分で興味を持って、やってみたら楽しくて、できるようになってもっと楽しくて、できなくてももう1回トライしたくなって…このような遊びを繰り返していく中で「学びに向かい続ける力」が培われていきます。このように子どもの遊びの中には、沢山の学びの要素が詰まっています。そしてそれを広げ、深めるのが、保育者の役割です。このことは、もちろん親としてもできることです。学ばせたいなら遊ばせる。これにつきます。そして親として子どもの成長を見る時に、我が子の成長というのは他の子と比べてどうか?ということよりも、我が子がすくすくと育っているかの方が何倍も大切です。
 クリスマスのアドベントに入りました。イエス様の降誕について触れる中で、遊びを通して楽しんでいきたいと思います。