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ホーム  > 園長コラム  > 「  子どもの姿から伝わること 」

「  子どもの姿から伝わること 」

園長 平野春江
 新年明けましておめでとうございます。
新年早々に能登半島地震が発生し、犠牲となられた方々に心よりお悔やみ申し上げるとともに、被災された方々に心よりお見舞い申し上げます。保護者の方の中で石川県に帰省されていた方もあり、地震発生時やその後の余震の時にも「子どもたちは、園で避難訓練をしているから思ったよりも落ち着いていました。」とのお話を伺いました。園では毎月1回地震や火事等を想定した避難訓練を実施しています。災害はいつ起こるかわかりません。保護者の方や地域の方々も含めた訓練の重要性もあらためて感じました。年始休み明けで感染症等の流行も予想されますので、園児の体調に留意しながら、ゆっくりと園生活に慣らしていけるように配慮してまいりたいと思います。
さて昨年末には園児、保護者の皆様、職員、地域の皆様と共にクリスマス祝会を行う事ができましたこと感謝申し上げます。
「起きて!起きて!起きて!・・・」「起きて!起きて!起きて!・・・」 「・・・」 小声で「どうする?起きないね。」
これは、4,5歳児によるページェント(降誕劇)の羊飼いと羊の場面での会話です。イエス様誕生の嬉しい知らせを天使から聞いた羊飼いたちが、眠っている羊を起こして一緒にイエス様を拝みに行こうと呼びかける場面です。羊飼いたちの呼びかけに羊役の4歳児のAさんはなかなか起きません。(これも自己表現のひとつです)5歳児の羊飼い役の子どもたちは、優しく何度も「起きて!」と呼びかけます。決して職員に助けを求めることなく、そのうち小声で羊飼いたちが相談を始めました。そこで、もう一度優しく呼びかけるとやっと羊役のAさんが目を覚ましてくれたという何とも微笑ましいハプニングがありました。保護者のアンケートの中にも『ひつじが起きなくても粘り強く起こして、それでも起きないとどうする?とひそひそ相談し、誰も「先生〜」と言わずにひつじが起きるのを待つ姿に、この園で育ってきた子ども達の姿を象徴的に感じました。』とのお声を頂きました。
また、4歳児のBさんとご家族は前日までに、こんな会話がなされていたとのちに伺いました。
「ママ、私ローマ兵をやるの。セリフはないんだけど、私(ローマ兵)の歩き方を見ていてね。」
ローマ兵のBさんの歩き方を大勢の観客の目に留まったかどうかはわかりませんが、ご家族だけは喜びをもって見守りました。そこにBさんの大きな喜びがあったようです。Bさんのお母様は娘(ローマ兵)の歩く姿を見て涙が止まらなかったそうです。
ページェントをご覧になられた来賓の方からも『子ども達がページェントに登場する人物について知ることから始まり、子ども自身が考えて言葉を紡ぎ出して演じているからでしょうか、みんなとても楽しんでいましたね。』『先生たちと子どもたちとの日頃の関わりが見えるようでした。』等の嬉しいお言葉を頂きました。
 当園では、教育・保育理念を基に、子どもの自ら育とうとする大きな力を信頼して尊重し、その発達の途にしたがって保育者は支え、導き、環境を整えております。そのような教育・保育の様子はコドモンのドキュメンテーション等を活用して保護者の皆様にもお伝えしておりますが、特に目には見えない心の育ちの可視化は難しさがあります。しかし、クリスマス祝会のページェントでの子ども達の姿を通して園で大切にしていることが保護者の方や地域の方々に伝わったことが大変嬉しく思います。
今後も保護者の皆様のご理解を得ながら共にお子様のご成長を見守ってまいりたいと思います。
2024年もどうぞよろしくお願い致します。