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「人形遊びから」

園長 高木 智美
 先日は夕涼み会への親子でのご参加、ありがとうございました。お家の方と一緒にお店を訪れる
子どもたちの表情は笑顔に溢れ、和やかな時間を過ごされたことと思います。保護者会の役員の
皆さまにも、お店を担当していただき、準備から当日までお忙しい中ありがとうございました。
先日2歳児クラスを訪れると、二人の女の子がままごと遊びをしていました。円卓には、お皿に
盛りつけられた彩り豊かな食材と飲み物。スプーンとフォークもきちんと添えられ、中央には
ケーキがありました。Aちゃんがお人形を抱き寄せ、「ごはん食べましょうね。いただきます。」
と、優しく声をかけ、そっと口に見立てたご飯を運んであげお世話していました。Bちゃんは、お
人形を布団に寝かせて「ねんね」と声をかけていました。しばらくすると自分も隣に横になり、
トントンと優しくお腹を叩いてあげています。その姿は、まるで日々おうちで受け取っている愛
情を、そのままお人形に返しているようでした。
子どもは安心やぬくもりを受け取ると、それを今度は誰かに与えることができるようになります。
2歳児の小さな手から生まれた、ていねいな思いやりのしぐさに、胸があたたかくなりました。
この頃の子どもは、身近な大人から受けた関わりや生活の場面を模倣することが増えてきます。
この、見立て遊びやごっこ遊びは、ことばやイメージの世界が広がり始めているサインです。
人形にお世話をする行動は、単なる模倣にとどまらず自分がしてもらった心地よさを再現し、相
手に与えるという心の働きが表れています。また、人形を介して役割を試したり、自分と相手を
区別してやりとりする力を養うきっかけにもなります。
このような遊びを通して、子どもは安心感や愛着を確かめ、他者を思いやる気持ちや社会性の芽
を育んでいきます。
安心してそこに身を置き、好きなこと、遊びにじっくりと心を寄せられる時は、幸せな時なので
はと子どもたちの姿を通して感じます。一人ひとりの子どもたちが、その幸せを十分に味わえる
るような環境を私たち保育者は準備し、子どもたちの生活が豊かなものとなるよう工夫していき
たいと思います。