雨上がりの朝、葉っぱの上にかたつむりを乗せて登園してきたお友だちがいました。梅雨入りはもう間近でしょうか。日差しも日ごとに強くなり、子どもたちは日陰や木陰で遊んだり、水や泥の感触を楽しんだりしながら園庭あそびを楽しんでいます。落ち着いて遊びこむ姿が園内のあちらこちらで見られるようになり、担任との信頼関係も深まりを感じます。
先日園庭で遊んでいたひまわりぐみのAさんが、慌てた様子でテラスにいた私の所に駆け寄ってきました。「あのね、さっきまで一緒に遊んでたBちゃんが転んじゃって今休んでるから、まだおもちゃがいっぱい残ってるんだけど私一人ではお片付けできそうにないの…お手伝いしてください!」「それは大変だね。わかりました!」と急いで靴を履いて一緒に行ってみると、そこには片付け途中の砂場のおもちゃが沢山散らばっていました。給食の時間が近づいているので、早く部屋に戻るためには自分一人では間に合わないと判断し、たまたま近くに居合わせた私を見つけて助けを求めたようです。Aさんは手際よく片付けると「ありがとう!」と言いながら駆け足で自分の部屋に帰っていきました。年長になったAさんは、①見通しを持って生活ができているからこその状況判断と②困った時には助けを求めるという2つのことが育っていました。
我が子が保育園や学校で困らないようにしてあげたい、そのためには、あれもこれも出来るようにしておかないといけない、と考えるのは親なら当然かもしれません。「自分のことは自分でできる子」「人に迷惑をかけない子」に育ってほしいと誰しも願いますよね。でも実は「人に頼る事」も立派なスキルなのです。私もこれまで、たくさんの人に迷惑をかけたりお世話になったりして生きてきました。誰かに頼ることは、脳神経学などの科学的な観点からも、自分と相手の自己肯定感を高めるという結果が出ているそうです。
子どもが自ら「困った」「助けて」と言えるようになるのは、簡単なことではありません。自分から助けを求められるようになるには、助けてもらった経験を積むことです。人は、してもらって初めて「自分も同じようにしよう」と思えるのです。
乳幼児期にこそ、周りの大人たちや友だちから助けてもらった経験を沢山積んでいって欲しいと思います。ご家庭でも、意欲が見られる時には「自分で考えてごらん」とハードルを上げ、少し難しいかな…と感じた時は子どもが伝えやすい雰囲気を作って、優しく「どうしたの?」と声をかけてあげましょう。そして、上手くできた時は「できたね」と認めることも大切です。Aさんのように、困った時は「助けて」と言える雰囲気作りを大切にしたいと思いました。
岸本 正子
先日園庭で遊んでいたひまわりぐみのAさんが、慌てた様子でテラスにいた私の所に駆け寄ってきました。「あのね、さっきまで一緒に遊んでたBちゃんが転んじゃって今休んでるから、まだおもちゃがいっぱい残ってるんだけど私一人ではお片付けできそうにないの…お手伝いしてください!」「それは大変だね。わかりました!」と急いで靴を履いて一緒に行ってみると、そこには片付け途中の砂場のおもちゃが沢山散らばっていました。給食の時間が近づいているので、早く部屋に戻るためには自分一人では間に合わないと判断し、たまたま近くに居合わせた私を見つけて助けを求めたようです。Aさんは手際よく片付けると「ありがとう!」と言いながら駆け足で自分の部屋に帰っていきました。年長になったAさんは、①見通しを持って生活ができているからこその状況判断と②困った時には助けを求めるという2つのことが育っていました。
我が子が保育園や学校で困らないようにしてあげたい、そのためには、あれもこれも出来るようにしておかないといけない、と考えるのは親なら当然かもしれません。「自分のことは自分でできる子」「人に迷惑をかけない子」に育ってほしいと誰しも願いますよね。でも実は「人に頼る事」も立派なスキルなのです。私もこれまで、たくさんの人に迷惑をかけたりお世話になったりして生きてきました。誰かに頼ることは、脳神経学などの科学的な観点からも、自分と相手の自己肯定感を高めるという結果が出ているそうです。
子どもが自ら「困った」「助けて」と言えるようになるのは、簡単なことではありません。自分から助けを求められるようになるには、助けてもらった経験を積むことです。人は、してもらって初めて「自分も同じようにしよう」と思えるのです。
乳幼児期にこそ、周りの大人たちや友だちから助けてもらった経験を沢山積んでいって欲しいと思います。ご家庭でも、意欲が見られる時には「自分で考えてごらん」とハードルを上げ、少し難しいかな…と感じた時は子どもが伝えやすい雰囲気を作って、優しく「どうしたの?」と声をかけてあげましょう。そして、上手くできた時は「できたね」と認めることも大切です。Aさんのように、困った時は「助けて」と言える雰囲気作りを大切にしたいと思いました。
岸本 正子