グローバルナビゲーションへ

本文へ

ローカルナビゲーションへ

フッターへ



ホーム  > 園長コラム  > 「食を通して育むもの」

「食を通して育むもの」

                   「食を通じて育むもの」

園庭で霜柱や氷を見つけるとバケツや容器に入れて冷たいのも気にせず感触を確かめている子どもたち。インフルエンザも再び出てきていますが、寒さも楽しんでいる姿は逞しい限りです。
 先日行われた宝塚保育学会で野上あゆみ保育園は、「おもちゃの再発見」と「クッキングを通して育む心」を発表しました。「クッキング…」は、ひまわりぐみの昨年度からの取り組みです。昨年度当初は食にあまり興味がなかったり、好き嫌いが多かったりする姿が見られ、同時にけんか等のトラブルが頻発していました。担任は、食への興味は情緒の安定にも大きく関わると感じ、野菜の栽培やクッキングを数多く経験する中で、意欲や友だちと心を合わせる楽しさを育んでいきました。この2年間で、ひまわりぐみは食に興味を持つ子どもがとても増えました。ご家庭からも料理のお手伝いや、子どもが食に関わることが増えた、というお話がたくさん寄せられました。今では包丁さばきも上手になり、クッキングが日常の保育の一場面になっています。また様々なことに挑戦し、自信を付け、就学に向けて日々意欲的に過ごしています。
子育てをする上で「食べる」ことの大切さは誰もが知っていることですし、好き嫌いなく何でも食べることが理想です。しかし実際は、日々の忙しさに追われてなかなか手が回らない、余裕がない、というのが現実ではないでしょうか。特に「保育園では食べるのに、家では食べてくれない」という話をよく聞きます。なぜでしょう…
保育園では友だちと毎日同じ時間に食べます。みんなと同じメニュー、同じ量(個々に調整はします)、同じ食器。子どもたちは「同じ」ことに安心感を覚えます。また、園では活動時間が保障されていて、自然にお腹が減るリズムがつくられます。友だちが食べる姿を見ることができるのも、食事が進む大きなポイントです。また園の給食に慣れてくると、自分の食べられる量を把握する機会が増えます。幼児クラスになってくると、給食を食べる前に子ども自身が「減らす」「増やす」を保育者に伝え量を調整し、完食を目指します。完食する喜びを経験し、日々繰り返すことで苦手な食材もだんだんと食べられるようになっていきます。
加えて、お父さんお母さんが毎日仕事で頑張っているように、子どもたちは保育園という小さな社会で頑張っています。(苦手な食材を一口挑戦することも頑張っていることになりますね)大人も子どもも一生懸命ということです。一日働いて疲れて帰った後に、頑張ってご飯を作ったのに、子どもが夕飯を残すと「なんで…」と落ち込んでしまうことはありませんか。しかし、「私、頑張ったな。でも子どもたちも頑張ったな。」と肩の力を抜いて受け入れることができると気持ちも少し楽になるかもしれませんね。子どももお家で甘えることができれば、明日も保育園でまた頑張ろう!と前向きになってくれることでしょう。
このように子どもに関わる点では同じでも保育園とご家庭とでは役割が少し違います。その違いを上手に活かしてご家庭と保育園が一緒に子育てできると、「食べることは楽しいこと」につながっていけるかもしれませんね。ひまわりぐみの子どもたちは、たくさんの食育経験を通して、食べることの素晴らしさを知り、心も育まれていったのだと思います。ひまわりぐみが作るお出汁の効いたお味噌汁はそれはもう絶品ですよ。    岸本 正子