「時間の感覚」
園庭のあちらこちらでチューリップの芽がスクスク伸びて、春の訪れを感じさせてくれています。早いもので今年度最後のおたよりとなりました。
新年度が始まったと思っている間に、もう年度末を迎える感覚に陥るのは年齢を重ねるほど体感するものです。私も実感している一人ですが、この現象は「ジャネーの法則」と呼ばれるそうです。人生の長さに対する一年の比率が年齢とともに小さくなるため、体感時間が短く感じられるという心理的な法則です。
例えば、30歳の人にとって、1年間というのはそれまで生きてきた30年の内の一年ですから 30分の1で人生のわずか3%少々という事になります。ところが5歳の子どもにとっての 1年間は、5年間のうちの一年で、人生の(1/5)20%を占めています。つまり同じ「一年」「一日」「一時間」であっても、5歳の子どもの体感時間は、大人の6倍以上の長さであるという事になります。当然年齢を重ねるほど感覚の差は広がっていきます。歳を取ると新鮮な経験が減ったり、脳の活動量が低下したりすることも要因とされています。反対に、同じ一年でも、子どもにとっては初めて事を沢山経験し、成長著しい充実した時間ということになります。
日常生活の中で、我が子に「ちょっと待ってて」とお願いしたのに「まだ?」「ねえ、早くしてー」と言われてしまい、イライラしてしまった経験はありませんか。「ほんの10分がなぜ待てないの…」とついつい思ってしまいそうですね。
しかし先にお伝えした通り、大人にとっての10分は子どもにとっての「1時間以上」(6倍以上)「子どもを10分待たせるのは大人を1時間以上待たせるのと同じ感覚」ということになります。そう考えると「待って…」も気軽にはお願いできません。昔は子どもだった私たちも、「大人の時間」に慣れるに従って、「子どもだった頃の時間感覚」を忘れてしまいます。そして無意識に、子どもたちを「大人の時間に合わせよう」としてしまいます。
「自分より6倍の濃密な時間を生きている」と思えば、我が子との接し方が変わってきそうです。できることなら時間を丁寧に使いながら、「待ってて」を連発しない生活が送りたくなりますね。また、子どもの「じっくり」に関わって大人が「待つ子育て」を心がけることが出来れば、子どもたちの「受け止めてもらった」安心感は大きな成長につながっていくでしょう。
大人にとってはあっという間の一年でも子どもにとっては新鮮な記憶がどんどん蓄積されていく大切な時期であること、様々な経験を通して、脳の活性化、豊かな感性、社会性、そして生きる力を築くための土台が作られていくことを知っておきたいと思います。
この一年も保護者の皆様には多大なるご理解とご協力をいただき、心より感謝申し上げます。ありがとうございました。もうすぐ進学、進級を迎える子どもたちと「じっくり」関わることを大切に過ごしていきたいと思います。次年度も皆様にとって実りある年になりますようお祈り申し上げます。
岸本 正子
園庭のあちらこちらでチューリップの芽がスクスク伸びて、春の訪れを感じさせてくれています。早いもので今年度最後のおたよりとなりました。
新年度が始まったと思っている間に、もう年度末を迎える感覚に陥るのは年齢を重ねるほど体感するものです。私も実感している一人ですが、この現象は「ジャネーの法則」と呼ばれるそうです。人生の長さに対する一年の比率が年齢とともに小さくなるため、体感時間が短く感じられるという心理的な法則です。
例えば、30歳の人にとって、1年間というのはそれまで生きてきた30年の内の一年ですから 30分の1で人生のわずか3%少々という事になります。ところが5歳の子どもにとっての 1年間は、5年間のうちの一年で、人生の(1/5)20%を占めています。つまり同じ「一年」「一日」「一時間」であっても、5歳の子どもの体感時間は、大人の6倍以上の長さであるという事になります。当然年齢を重ねるほど感覚の差は広がっていきます。歳を取ると新鮮な経験が減ったり、脳の活動量が低下したりすることも要因とされています。反対に、同じ一年でも、子どもにとっては初めて事を沢山経験し、成長著しい充実した時間ということになります。
日常生活の中で、我が子に「ちょっと待ってて」とお願いしたのに「まだ?」「ねえ、早くしてー」と言われてしまい、イライラしてしまった経験はありませんか。「ほんの10分がなぜ待てないの…」とついつい思ってしまいそうですね。
しかし先にお伝えした通り、大人にとっての10分は子どもにとっての「1時間以上」(6倍以上)「子どもを10分待たせるのは大人を1時間以上待たせるのと同じ感覚」ということになります。そう考えると「待って…」も気軽にはお願いできません。昔は子どもだった私たちも、「大人の時間」に慣れるに従って、「子どもだった頃の時間感覚」を忘れてしまいます。そして無意識に、子どもたちを「大人の時間に合わせよう」としてしまいます。
「自分より6倍の濃密な時間を生きている」と思えば、我が子との接し方が変わってきそうです。できることなら時間を丁寧に使いながら、「待ってて」を連発しない生活が送りたくなりますね。また、子どもの「じっくり」に関わって大人が「待つ子育て」を心がけることが出来れば、子どもたちの「受け止めてもらった」安心感は大きな成長につながっていくでしょう。
大人にとってはあっという間の一年でも子どもにとっては新鮮な記憶がどんどん蓄積されていく大切な時期であること、様々な経験を通して、脳の活性化、豊かな感性、社会性、そして生きる力を築くための土台が作られていくことを知っておきたいと思います。
この一年も保護者の皆様には多大なるご理解とご協力をいただき、心より感謝申し上げます。ありがとうございました。もうすぐ進学、進級を迎える子どもたちと「じっくり」関わることを大切に過ごしていきたいと思います。次年度も皆様にとって実りある年になりますようお祈り申し上げます。
岸本 正子


