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「スロースタートな5月」

               「スロースタートな5月」

園庭の木々の緑がいっそう鮮やかになり、爽やかな風が吹き抜ける季節となりました。
新年度がスタートして1ヶ月。初めは不安そうだった子どもたちも、今では「おはよう!」と元気な声を聞かせてくれるようになり、新しい環境に少しずつ馴染んできたことを嬉しく感じています。    
慣らし保育を終え、園生活に慣れてくる5月以降は、子どもにとって保育園が「未知の空間」から「自分の力を発揮して楽しむ場所」へと変わっていきます。進級児さんにとっても、新しい環境への緊張が少しずつ解け、一人の園児から集団の一員へと活動を広げていく時期です。そして皆が、園で「自信を持って挑戦する自分」へと成長していきます。
皆がスムーズに良い方向へ前進していくことができれば良いのですが、慣れてきたこの時期だからこそ、環境の変化への疲れ、いわゆる5月病のような症状が出てくる場合があります。5月病はそれだけ4月を全力で頑張り抜いた証でもありますが、低年齢の子どもほど体調不良としてSOSが出る傾向があるようです。他にもイライラして怒りっぽくなったり、好きだった遊びに興味を示さなくなったりします。
園では楽しいことを沢山経験する中で、集団のルールを守り、友だちに譲ったり我慢したりと、一日フル回転です。もしかしたらご家庭では、今までできていたことも「やって!」と甘えてくることが出てくるかもしれません。これは「甘えても大丈夫かな…」という確認作業なので、無理のない範囲で応えてあげると、翌日の登園意欲に繋がります。せっかく新年度の生活に慣れてきた所で、少し後退してしまったように感じるかもしれませんが、園での頑張りそのものを肯定し、ご家庭を「安全基地」にしてあげると心身ともに落ち着くことができると思います。心のエネルギーをチャージするつもりで、お子さんと関わってあげてくださいね。
また、保護者の方にとっては園での様子が気になるところかと思いますが、子どもにとって1日は長く、夕方には記憶が混ざったり、思い出すのが疲れたりすることもあります。「何したの?」「誰と遊んだ?」と質問しすぎず、連絡帳やドキュメンテーションをヒントにして、「今日は砂場でお山を作ったんだって?」などと具体的でピンポイントに振りかえっていただけると、応えやすく会話も弾むと思います。
小さいと思える変化でも、気になることがありましたら担任と情報共有をお願いします。園でも、心の安定を最優先に、肯定的なまなざしを心がけ、「やりたい」気持ちや、逆に「やりたくない」という葛藤を急かさず、ひとり一人のペースに寄り添いながら保育していきたいと思います。

                                            岸本 正子