連日うだるような暑さが続き、子どもたちの安全のために外に出ることを見合わせるなど、夏の過ごし方も変わりつつあるのを感じます。体温調節機能が未発達な子どもたちの健康を守るため、園では暑さ指数をチェックしながら、室内でも夏らしい遊びを取り入れて過ごしていきたいと思います。また、厨房内の空調故障により、数日間の献立変更を余儀なくされましたが、子どもたちはむしろ変化を楽しむかのように受け入れてくれました。子どもの心の柔らかさに救われました。保護者の皆様にもご理解いただきありがとうございました。
先日、ある保育雑誌に次のようなことが書かれていました。
『近年、「最近の子どもは変わった」と言われることがあります。しかし、乳幼児期の発達の本質が大きく変わることはありません。発達は子どもだけの力で進むものではなく、人や物、環境との相互作用の中で育まれるものです。その視点から考えると、「変わった」のは子どもそのものではなく、むしろ子どもを取り巻く社会や生活環境であるととらえることができるでしょう。』
生活の基本はあくまでご家庭にありますが、子どもたちが園で過ごす時間が長くなる中で、私たちはこの「子どもを取り巻く環境の変化」を肌で感じています。スマホや知育アプリの普及、自動の蛇口や抗菌玩具、土のない戸外遊びなど、現代は非常に便利でクリーンな環境が整いました。しかしその反面、子どもたちが「五感を使って直接体験する機会」や、自分で遊びを工夫する「手間」、地域・多世代との自然な関わりが減少しているという側面もあります。
かつて日々の暮らしの中で自然に行っていた「蛇口をひねる」「瓶のフタを回す」「デコボコ道をしっかり歩く」といった動作は、じっくり考える力や集中力を育てる大切な運動でした。また、大人が用意したおもちゃや動画がない「何もない退屈そうな時間」こそが、子ども自身で新しい遊びを見つけたり、ルールを作ったりする工夫を生み出します。こうした自分でやってみる経験が、これからの未来を生きる自信やチャレンジ精神、友だちとの関わりを深める力へとつながっていきます。だからこそ、園生活の中で、心が動くような「豊かな体験」を一つひとつ丁寧に積み重ねていきたいと考えています。
ここ数年、園の夏まつりは涼しい室内で開催することが定着していますが、工夫次第で子どもたちの世界はどこまでも広がります。今年も子どもたちが主体となってアイデアを出し合い、準備を重ねた「夏まつりごっこ」を存分に楽しみました。そして先日夕方に、子どもたちが一生懸命作ったそのお店を使って、お家の方と一緒に楽しむ「親子で夏まつりごっこ」へとつながりました。大好きな家族をお客さんとして迎え、自分が作ったお店で一緒に笑顔あふれる時間を過ごせたことが、子どもたちにとって大きな自信と、温かい夏の思い出になればと思います。
便利で快適な環境を活かしつつ、園では子どもたちが自分の手と頭をたくさん動かして、夢中で工夫できる遊びの環境を整え、試行錯誤するプロセスを大切にしていきたいと思います。この夏、お出かけも楽しいですが、ご家庭でも日々の小さくても豊かな実体験の積み重ねや「何もない退屈そうな時間」も経験してみると良いかもしれませんね。
岸本 正子
先日、ある保育雑誌に次のようなことが書かれていました。
『近年、「最近の子どもは変わった」と言われることがあります。しかし、乳幼児期の発達の本質が大きく変わることはありません。発達は子どもだけの力で進むものではなく、人や物、環境との相互作用の中で育まれるものです。その視点から考えると、「変わった」のは子どもそのものではなく、むしろ子どもを取り巻く社会や生活環境であるととらえることができるでしょう。』
生活の基本はあくまでご家庭にありますが、子どもたちが園で過ごす時間が長くなる中で、私たちはこの「子どもを取り巻く環境の変化」を肌で感じています。スマホや知育アプリの普及、自動の蛇口や抗菌玩具、土のない戸外遊びなど、現代は非常に便利でクリーンな環境が整いました。しかしその反面、子どもたちが「五感を使って直接体験する機会」や、自分で遊びを工夫する「手間」、地域・多世代との自然な関わりが減少しているという側面もあります。
かつて日々の暮らしの中で自然に行っていた「蛇口をひねる」「瓶のフタを回す」「デコボコ道をしっかり歩く」といった動作は、じっくり考える力や集中力を育てる大切な運動でした。また、大人が用意したおもちゃや動画がない「何もない退屈そうな時間」こそが、子ども自身で新しい遊びを見つけたり、ルールを作ったりする工夫を生み出します。こうした自分でやってみる経験が、これからの未来を生きる自信やチャレンジ精神、友だちとの関わりを深める力へとつながっていきます。だからこそ、園生活の中で、心が動くような「豊かな体験」を一つひとつ丁寧に積み重ねていきたいと考えています。
ここ数年、園の夏まつりは涼しい室内で開催することが定着していますが、工夫次第で子どもたちの世界はどこまでも広がります。今年も子どもたちが主体となってアイデアを出し合い、準備を重ねた「夏まつりごっこ」を存分に楽しみました。そして先日夕方に、子どもたちが一生懸命作ったそのお店を使って、お家の方と一緒に楽しむ「親子で夏まつりごっこ」へとつながりました。大好きな家族をお客さんとして迎え、自分が作ったお店で一緒に笑顔あふれる時間を過ごせたことが、子どもたちにとって大きな自信と、温かい夏の思い出になればと思います。
便利で快適な環境を活かしつつ、園では子どもたちが自分の手と頭をたくさん動かして、夢中で工夫できる遊びの環境を整え、試行錯誤するプロセスを大切にしていきたいと思います。この夏、お出かけも楽しいですが、ご家庭でも日々の小さくても豊かな実体験の積み重ねや「何もない退屈そうな時間」も経験してみると良いかもしれませんね。
岸本 正子


