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5月コラム「アタッチメント(愛着)」

「アタッチメント(愛着)」

さわやかな風が心地よく、新緑の美しい季節になりました。4月の保護者会総会、懇談会につきましては、感染症対策のため書面決議、2クラス毎の懇談会とさせていただきましたが、ご理解とご協力を頂きありがとうございました。さて、新年度が始まり1か月が過ぎました。4月当初は環境が変わり、緊張や不安で泣けてしまう姿があり、保護者の皆さまは、後ろ髪をひかれる思いでお仕事に行かれたことと思いますが、今では、笑顔が見られるようになり、日中は好きな遊びを見つけ遊べるようになってきました。乳児クラスのお子さんは担任がわかるようになり、その保育者を求めたり身体にぴたりとくっついていることで安心感に浸っているようにも見えます。先日、はままつ保育士会主催の遠藤利彦氏(東京大学院教育学研究科・Cedepセンター長)による「赤ちゃんの発達とアタッチメント」という講演会がありました。遠藤氏は、子どもの発達においてアタッチメント(愛着)はとても大切だと言われていますが、どうしてでしょうか?あるいは、養育者の子どもに対する愛情を愛着ととらえていないでしょうか。あるいは、養育者と子の情緒的な絆とだけ考えていないでしょうか。愛情と愛着は受ける印象は似ていますが、その意味は違います。愛情は、「特定の他者に向かい、その他者とつながれることを喜びとする」気持ちを指しますが、アタッチメントは、「特定の他者とくっつくこと」を指します。しかも、いつでもどこでもくっつくことではありません。何らかの危機が接したとき、あるいは危機が予想されたときに生まれる恐れや不安などのネガティブ(否定的)な感情を特定の他者にくっつくことを通して調整しようとする欲求であり、実際にくっつくという行動の傾向を指します。「危機」とは、おおげさな表現ですが、子どもにとってはちょっとつまずいて転んで痛いときも危機ですし、離れて後ろを振りかえって誰もいないときも危機です。本当に子どもの日常は危機だらけです。そのたびに子どもは怖いとか不安の感情をたくさん経験します。あるいは思いどおりにできなくてフラストレーション(欲求不満)に陥ったりします。こういうネガティブな感情を元通りにしようとする欲求や行動がアタッチメントです。こども園では、保護者に変わり保育者が何かあったらその人のそばに行けばよいと思い少しずつ一人でいられるように力がつくように子どもが安定してすごせるように関わっていきたいと思います。
(参照:「赤ちゃんの発達とアタッチメント」遠藤利彦氏より)