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読書の秋

園長 加藤 可織
 暑さが和らぎ、心地良い風が吹くと涼しさを感じ、秋の気配を感じる季節になりました。戸外で過ごすことに気持ち良さを感じるようになり、元気いっぱいに遊ぶ子どもたちの姿が見られます。わかばの園庭では、ひよこ組からみどり組までが園庭で一緒に過ごすことが多々あります。園庭に出てきたひよこ・りす組の子どもたちに優しく声をかけ、靴を履く手伝いをしたり、帽子をかぶせてあげたりと大きいクラスの子どもたちが優しく接する姿が見られます。誰かに言われたから行なうのではなく、“自ら気づいて行なう”姿に心が温まります。異年齢での関わりを通して、子ども同士が互いに育ち合い、思い合う姿を大切にしていきたいです。
 さて、秋は『読書の秋』と言われています。園の中にある『わかば文庫』の前では、迎え後に親子で絵本を見る姿がよく見られ、火・木曜日の貸し出し日には嬉しそうに絵本を選び、借りていく様子が伺えます。先日、研修を受けた中で紹介された本『子育てを感動にする おもちゃと絵本 藤田篤』を読む中で「絵本との三度の再会」について書かれていました。(以下の内容については、一部をまとめました。)
 一度目の再会:絵本を読んでもらっている時期。大人に読んでもらった時の声は、記憶として残ります。字が読めなくても一人で絵本をめくっている時は、読んでくれた声の記憶を頼りに絵本の世界を楽しんでいる。
 二度目の再会:学童期から思春期、青年期。困難や不安に直面した時、安心感を得たいと思い、親に絵本を読んでもらった記憶“安心感”を感じながら絵本を見る。
 三度目の再会:自らの子育ての始まりの時期。子育てをする中で「あの絵本を読んでみよう」と思い起こすのは読んでもらった絵本。読んでもらった記憶がある絵本を読んであげたいと思うようになる。
この箇所を読んだ時、私自身は「二度目の再会」は経験がなく、すぐに思い当たったのは「三度目の再会」で
した。子育てをする中で「この本は、小さい頃に家にあったな。母親に読んでもらったな。」と思い、図書館や本屋で見かけると手に取るのは自分の知っている=自分の記憶の中にある絵本だと改めて気付きました。私が一番に思い出した絵本は、『はじめてのおつかい 筒井頼子 作/林明子 絵』です。なつかしさは自らの記憶の中で印象に残っているからだと思います。娘に絵本を読んでいながら、自分の記憶の中で幼い頃のことを思い出して自分自身に読んでいたようにも思います。幼い頃の記憶を思い出すと共に母親にしてもらったことを思い出されたように感じ、それが自分の子育てにもつながっていくのだと思いました。
お子さんと一緒に絵本を楽しむひと時だけではなく、保護者の皆さん自身が「この絵本は…」と手に取ってみながら自分の記憶と対話をしてみると思い起こす瞬間があるのではないかと思います。